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【レビュー】腐り姫【追記あり】




腐る、腐りゆく、世界――――――


エロゲ業界でも独特の雰囲気を醸し出すライアーゲームの作品です。
今作も異彩際立つ雰囲気の作風でした。

いざレビューを書こうにもどう書けばいいのか悩んでしまうのですが(笑)
一言で表すとすれば「淫モラルホラー」という説明が見事に的を得た作品だったと思われます。
淫靡でどことなく郷愁と恐怖を内包した狂気のお話です。
何言ってんだこいつって感じですがプレイした方は何となくわかってもらえるのではと思います。

本作の特徴は何よりもその雰囲気。
シナリオが進行していくにつれてとてつもない生理的(倫理観的?)嫌悪感にさいなまれていくのですが、投げ出さずに続きを読もうと思ってしまう。
和風+田舎+昭和臭(郷愁)+ホラー+インモラルという組み合わせが成しえた見事な雰囲気。
なかなか言語化するのが難しいのですがずっと浸っていたいような気分になりました。
正直そう感じる自分にすごい身震いしてしまうのですが・・・。

もう一つの特徴としては絵です。
立ち絵もそうですし背景画も他作品とは違った趣となっています。
多くの人がきっとこの絵をデモムービーなりHPで見て回避したと思います。
ただ、この絵が雰囲気の良さを引き立ててくれてます。
慣れるまでちょっと時間がかかりますが、慣れるとむしろこの絵じゃないと・・・となってきます。

音楽もいいです。
OPにかかる「腐り姫の伝説」や「樹里のテェマ」「夢のきざ橋」と和風テイストなBGMが多めです。
一応夏が舞台なのですが曲のイメージだけだと冬のほうが似合ってるかも?

キャラについては・・・。みんな狂ってます。
どのキャラが好きというのは感じなかったですね・・・。そういうゲームじゃねえから!
とりあえずきりこさんはお帰りください^^

映像であったり立ち絵、CGの枚数やエフェクト等は発売された時期(2002年)を考慮すればこのくらいで妥当かと思われます。ただ、CGはちょっと少なく感じるかもしれません。
作品の出来だけで言うならばこの当時のトップレベルの出来かと思われます。
ただ、シナリオゲーが多くみられるようになった今比較するならば粗さが目立つやもしれません。
シナリオ展開自体も目新しいものではなくいろんな作品が通ったようなものです。
実際はこの作品がむしろ以後の作品に影響を与えていったと考えるべきなのでしょうが・・・。

そんな感じで出来の部分では不満が残るやもしれません。
それでも、今作は様々な名作と比べても遜色ないものだと僕は思いました。
雰囲気、テーマが他作品と異色であり、突き抜けた感じがします。
他の名作が完成度の高さを行くならば、こちらは独自色を全面に出した異端作とでもいうのでしょうか。
そんな印象を受けた一作でした。
点数にするならば80点台後半ぐらいでしょうか?人によっては90点を文句なしで叩き出せるような作品でした。

追記
プレイ時間は大体10~12時間程度かと思われます。


以下ネタバレあり(ブログの設定上伏字があります、ご了承ください)

まあ、ループものです。
ただ、ループものでありながら、最後の3つの選択でエンディングが変わるだけという一本道シナリオです。

以下メモの乱立(相変わらず読みにくくてすいません)


本作は周回を追うごとに主人公と血縁的な関係が近くなっていくというのがおもしろかったです。
自称恋人→従妹→義母→義妹→実妹(同族)という具合に。
そのため全体的に近親○姦、学術的にはインセクトタブーを延々と描き続ける展開へとなっていきます。
好きな方はもしかするととっさにズボン、パンツを抜いて「うおぉぉぉぉぉっ!!」と滾っていかれるのかもしれませんが自分はひたすらに嫌悪感に包まれてました・・・。目の前の情事に反応している自分がイヤになりました・・・。

しょっぱなの自称恋人きりこさんはそこまで背徳感とかはありません。
というより独りよがりすぎてむしろ不快感が半端ありませんでした。
それでも、全キャラが秘める「後悔」というキーワードに則った存在であっただけましかなと。
どのキャラもですがきりこさんは特に主人公の考えなんざおかまいなしに自らの考えを押し付けてくるのがひたすらにイラつきました。
序盤は早く蔵女さん仕事してください!と思わずにいられませんでした^^;;;
死にざまが一番みじめだったので多少同情の余地はありますが・・・。
(これについてはおそらく樹里の意志を多少は継いでいる蔵女の嫉妬心の強さが現れてるのかもしれません。
自分のまったくあずかり知れぬ場所で自分の愛しの兄が想いを寄せていた存在。それだけで独占欲の強い樹里ちゃんは煮えくり返るような想いだったのでしょう。だから、最期は触れさせもしないままに果てさせたのかなと思いました。ほかの人物については知っていることもあり、多少関係を持ったところで私の方が上であるという優越感があったのやもしれません。あとは後述する通りかなと)

それ以降は生理的な背徳感やら嫌悪感が出てきます。
一番きつかったのは義妹の潤の「あたしも、樹里とおなじだ・・・」ですね。
生物学上は血のつながっていない(はず)の潤なのでセッ○スをしようがどうってことないのですが、社会的には家族、それも兄妹どおしのものとなってしまうため忌避される存在です。
そして体を求めているときに発した前述のセリフ。
家族という存在だけでは飽き足らず一人の「女」として主人公を求めるという姿勢がどこまでも生理的に受け付けなかったです。
もっと深く掘り下げるならば実の妹ではないという樹里への嫉妬がある中で、樹里が抱いていたであろう兄妹という壁を越えもっと密接な関係になりたいという「女」としての想いというものと同じものを自分が抱いているということに気付いてしまったという。
兄妹、親子といった家族という社会的存在を超越して一人の性的存在として家族の前に現れるという。
まさに今作の世界観と同様「狂気的」です。

そして彼女たちはあくまで樹里という存在の引き立て役にしかなっていない。
彼女たちは男女の愛し合うという関係を主人公の血に近づいていくということでどんな状況でも男女の愛というものは成立するということを示唆しているだけに過ぎないように感じました。
どんな状況というのはつまり兄妹といった近親間でもということ。
蔵女が樹里の亡霊的存在であるならば、樹里と主人公との愛だって成立可能なんだもん!そうでしょ!?という狂った世界を作り上げようという想いで今作は作られているという感じかなあと。
突き詰めていくと樹里の主人公へと純粋な気持ちが世界を狂わせてしまったという。
似た感じだと沙耶の唄とかもそれに近いのかもしれませんね。
一貫性という意味でも今作はブレがなくすばらでした。

あとはひたすらに「現実」を突き付けてくるという部分も魅力的です。
エロゲーで家族、そしてヒロインというものはプレイヤーが思い浮かべる「理想」を具現化したものが多いと思います。
Key作品はその最たる例でしょうか。
かわいらしい口癖や性格のヒロインたち。
いろいろと問題があっても深い絆につながれている家族。
そういったものが背景にあるからこそKey作品は多くの人に感動を与えていったのだと思います。
しかし、今作はその真逆を地で行きます。
主人公が回想する幼少期の灯篭流しを家族で見るという風景が「理想」を示しているのにたいして、それ以外で思い出す過去はひたすらにどす黒くねじまがった家族関係や交友関係。
実際問題そうそう家族愛にみちた家庭なんて存在するものではありません。どこか暗部やねじまがった関係が存在するものです。
そういったものを容赦なく突きつけてきます。
現実はそう甘くないんだよ、とでも言いたげな感じです。つらいつらい。


ただ、最後の展開はちょっと・・・。
もう少しどうにかならなかったのでしょうか・・・?
時空越えりゃいいってもんじゃないでしょうに^^;;;;;
あと、結局蔵女は樹里と関係ないっていうのもね・・・。主人公の妄想が具現しただけとか・・・。
そのあたりをもう少し納得いく流れになっていればもっと名作として語り継がれたのと思うのですが・・・。

相変わらず乱文ですが、とりあえずはこんなところで。

あ、おまけのあれと盲点。はあの作品の雰囲気を見事にブレイクしてくれた問題システムだと思います・・・。
それなりに楽しめましたけど、あれはひどい(いろんな意味で)

追記:某大型レビューサイトにあった青磁が主人公を見守るというエンドが真のエンドなのではという仮説はなるほどな、と思いました。
説得力は十分あるように思えます。
しかもこれを真エンドとおくことですべてのエンドがただの夢(あるいは妄想)オチになり、現実感をよりきつく突きつけてくるあたりアリだなあと感じます。
ただ、それはひたすらに救いがないのであくまで選択肢の一つとして胸の内に秘めておきたいと思います・・・。

さらに追記
追記に書いたことをさらに考えていくと、主人公はものすごく醜い存在になるということに気付いたので仮説として書いておこうかと。
妄想オチとするならば、各キャラのルートは主人公の願望(欲望?)になります。
きりこ・・・主人公がひたすら想ってただけではなく、実はきりこにもその気があったんだという自己満足。
夏生・・・過去に許せないことを向こうから謝罪することで許そうとしている。
芳野・・・ほとんど覚えのない母親との愛をゆがんだ形で表出させた。
潤・・・樹里と同じ妹でありながら慕ってこなかった義妹に対して兄妹愛をゆがんだ形で表出させた。
蔵女・・・死んでしまった樹里を追い求めようとした結果、この物語を構成するために作られた存在として。

こう考えると主人公が一気にクズ野郎に思えてきます。元々妹と肉体関係になってる時点でいろいろアレですが。


あとサブタイトルについて。
あちこちのレビューでも書かれている通り、意味は「安楽死」です。
仮説を無視して考えるならば、それぞれのヒロインが様々な思いを遂げて赤い雪となって静かに死ぬという意味だと思われます。
仮説だと、妄想の中で自分の欲望を解き放った結果穏やかに精神的死を迎えられるという感じでしょうか。

非常に考察がいがあり、また様々な解釈が可能な今作。
きっと、他のLiarさんの作品や似た作品などを比較するだけでも、この数倍は書けると思います(笑)
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