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装甲悪鬼村正 感想





Nitro+ 10周年記念作品 装甲悪鬼村正。
章の切り替え時に何度も見る言葉が、この作品を象徴している。つまり、
これは英雄の物語ではない――

ニトロ作品と言えば、暗く、現実的で、しかし独特の世界観をもつものという風に私は勝手に思ってますが、この作品はまさにそうであったように思います。
特に一章は凄まじい。
優しいゲームに慣れ過ぎた脳が作り出す甘い幻想を、「いや、これニトロ作品だから…そんな甘くないから…」と振りはらいつつ読んでもなお少々のダメージを受けるあの結末。
何であんな暗い場面で街の散策中みたいな陽気なbgmが流れてるんだよ!
シナリオゲーでもこういった残酷さが無いものばかり読んでいた人がやればなかなかに衝撃を受けるのではないでしょうか。
また、1章において巧みにその世界観を説明していること、六波羅への怒りが(とまではいかなくても苛立ち程度は)読み手にも生じるように作られていることが素晴らしかったように思います。
2章以降も六波羅の非情さは変わりませんが、それを読む頃には″またか″という一種の諦念と怒りが生じる程度にはもうこの世界観に馴染めてしまっているのではないでしょうか。

とまぁ、シナリオに関しては後で書くとして、このゲームの売りの一つはキャラクターでしょう。
どのキャラクターも濃いので、完全に好みが分かれると思います。
村正をやった知り合いとどのキャラが好きかを話し合うと、えーまじかよ!お前あいつが好きなの?どこがいいの?といがみ合う展開になること必至な気がしてなりません。
そのくらい好みが分かれる…はず。
万人受けするのは、光くらいだと思います。これも怪しいけど。
まぁ、多くの方は魔王編をやり始めてから好きなキャラクターが増えるのではないでしょうか。
惜しむらくはヒロインの微妙さ。
一条と大鳥に関してはそのキャラクター性も一因とはいえ、そもそも各√における立ち位置がヒロインというよりライバルであるせいだと思います。
正義と悪とは、あるいは復讐とは という各√の問題を考えるための対極存在でしかない。
そのため、最後まで私はこの2人はそこまで好きになれませんでした。
次に、超絶ぷりてぃーでメインヒロイン間違いなしの茶々丸ちゃん。
ヒロインとしてのポテンシャルをもっている茶々丸ちゃんですが、残念ながら√が非常に短い。
物語の流れを考えると、仕方ないんですけどね…。
3章の時点でビビッときて茶々丸√を楽しみにしていた私は深い悲しみに包まれました。
村正に関しては普通にヒロインやってたので割愛。光もヒロインといえばヒロインですが、攻略対象たりえぬ存在なので割愛。

また、映像と解説も素晴らしかったように思います。
10周年記念作品だけあって、映像が随所に挿入されています。特に武者の戦闘時なんかは、技出せば映像出るみたいな印象。
小市民なので、これに対して金かかってんなーという感想しか出せないのが辛いところです。
それよりも素晴らしいと思ったのは、解説画像です。
この画像は、武者同士の戦いや、剣を用いての対戦時に今どういった状態なのか、相手や自分が為す行動はどういったものなのか、というのを明確に示してくれます。
剣術、例えば「燕返し」という技を聞いても実際どういった行動が行われるのかすぐに頭に浮かぶ人は少ないのではないでしょうか。
斬り下げた後すぐに斬り上げる、と書けば雰囲気は分かりますが、そもそも一般人は剣術のいろはが分からないのでその選択肢を取った事に対する驚き、納得、といったものが文章を読んだ時に生じない。
画像によって、「普通はこう動く。だからこの選択肢が強いんだ」という事が目に見えて明確に示されること、それによって少なくとも納得はできるので、現実味が増したように思います。
一方、こういった細かい解説によって戦闘のテンポは悪くなったので、不満に思っている人もいるかもしれません。
特に、ドラ○ンクエストの終盤で雑魚戦を飛ばすような人間なんかは。
これが村正を燃えゲーだと思わない人がいる理由でしょうね。
私は魔王編、アツかったと思います。

次に、システム面。
はじめに、縦読みシステム。
縦読みである必要性があったのか?
雰囲気は確かに出た気もしますし、外国語と大和語が明らかに区別できたのは良かったと思いますが、
文字数が少ないので、読む時間が増加してしまうデメリットも。まぁこれは±0、別に文句はありません。
文句があるのは、しおりです。
これいりますかね?いらないでしょう。
しおりだけしかないのなら分かりますが、普通にセーブ機能があるならサイドメニューはしおりではなく、セーブで良かったと思います。
あと、途中に出てくるミニゲーム的な移動とかパズルはいりますかね…パズルは兎も角、移動ゲーは面倒なだけでした。

最後に、もう一度シナリオについて簡単に。
このゲームは、繰り返しが多いです。
善悪相殺の意味、主人公の葛藤…答えにたどり着いては迷うことを繰り返す。
これに対して苛立つ人もいるかもしれませんが、このゲームはそういうものです。
気に食わないならば、多分向いてないでしょう。
このゲームは非常に長いので、駄目だ、と思ったら早めに止めた方がいいと思います。
ちなみに、英雄編、復讐編は7時間程度、魔王編は10時間以上かかった気がします。
英雄編は一つの物語として完結してますが、復讐編はどちらかというと魔王編の下地な印象を受けました。
魔王編は文句なしに面白かったです。

とまぁ、存外に長くなってしまったので、後はネタバレ込みで追記にて。




さてシナリオですが、2章、4章、5章は必要な部分でありながら特別面白くなかったように思います。
1章やったら、2章の子ども達が殺されることは何となくわかります。
それが分かっちゃっていると、2章って後に響いてくる細かい要素がちりばめられてるだけで、話そのものは面白いものでは無いですよね。
共通では1章以外では3章が面白かったように思います。
レース場の雰囲気を感じられた事もですが、思わずアベンジを応援したくなるけれど、明らかに怪しいのはアベンジであり、このゲームは残念ながらニトロプラスの作品であるというこのもどかしさ、あるいは絶望感。
茶々丸と雷鳥のキャラクター性もこの話に色を添えていたように思います。
魔王編で光がアベンジの技を使った時は嬉しかったなぁ。

次に英雄編。
善悪相殺については納得できましたが、一条の化け物じみた強さが気持ち悪かったですね。
ですが、正宗の異常性は正義の体現として抜群に良かったように思います。あの歪さが。
物語としては綺麗に終わっていたし、最後の終わり方も良かったので結構好きな話です。

復讐編は上でも書きましたが、魔王編の下地だった気がします。
結局これ景明が救われただけですよね。
銀星号を倒した後に法によって裁かれないと知った後の景明の絶望具合を見る限り、
罪に対して罰があるということは時として罰ではなく救いたりえることが明らかです。
悪鬼編を見れば銀星号撃破後の景明を想像することは容易ですが、あのまま畜生のように生きて死ぬ方が罰としては相応しい気もします。
そもそも、人を殺したものは悪鬼であるならば、人の理を外れた悪鬼を人の法で裁くなど笑止千万だと思うのですが、まぁここらへんは考え方次第なので何とも。

次に、魔王編。
これは文句なしに面白かったですね。
圧倒的な強者であった光が、余命幾ばくもない弱者であるという事実、洗脳による六波羅サイドでの行動、ようやく明かされる茶々丸や博士の行動目的などなど見どころは多かった。
特に六波羅サイドは楽しかった。
禿坊主は英雄編における所業で、大鳥は復讐編におけるキャラクター性で、雷鳥はこれまでの数々の無能っぷりで印象がマイナスだったと思うんですが、魔王編で一時的にとはいえ味方となることで、かなり好感度がアップしました。
善悪相殺という題材を使ってるだけあって、このゲームはこういう対比というか二面性を出すのが上手かったと思います。
余談ですが、洗脳時の文章はすいすい読めたんじゃないでしょうか?
悩みに悩んでいた主人公が、光のような真っすぐな人間になったので、かなり読みやすくなり、考える必要も少なくなって、どんどん六波羅サイドで考えられるようになる。
村正による洗脳解除後は読む速度半減したように思います、本当。

光と言えば、何故かくも父に執着するのか、とぶっちゃけ納得できなかったんですが、魔王編富士山頂において景明との相対時における
「お前は、どうしても、その妄念を捨てられないのか!?」
「捨てられぬ!
 いかにも妄念、いかにも愚念、されどこの一念が光の命脈!」
という会話で何だか納得まではいかなくてもしっくりはきました。
結局こういうのって十全な納得なんて無理ですし。
主人公が悩み続けるのもあって、光の単純明快で力強い言葉の数々はかなり響きましたねー。
本当に良いキャラでした。

最後に悪鬼編。
あんな綺麗なシーンで終わるわけもなく、また同じような問答の繰り返し。
雪車町が村正を奪った後、殺した人間の回想をしながら追いかけていくシーンが素晴らしかったですね。
殺した人間の言葉と、景明の言葉のシンクロ。本当に良く練られてるなーと。

非常に長い時間かかりましたが、このゲームは飽きずに出来ました。
本当、世界観とキャラクターが素晴らしかったな、と。シナリオもすごいんですが、やっぱり繰り返しの問答が少しだるかったかなぁ。
90点台なのも納得の作品でした。そうそうこんなゲームはできない。
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村正

もうちょっとコメントを充実させようかと言っていたので、書いてみました笑
書き方を迷った結果、稀雪の流れにそって書きたいと思います。

いやぁ、本当に村正は噂に違わぬ素晴らしい作品でした。
上にも書いてありますが、これは英雄の話ではないんですよね。
最後まで英雄としては生きられなかった景明。
ラストのあの展開は本当に素晴らしかったと思います。

また上にも書かれていますが、1章のラストは本当に衝撃的だった笑
ふと思い出す「私は正義などではない」という言葉。
主人公だし死なないだろうという油断。
そして誰も幸せにならない未来。
――1章の段階で僕はすごく引きこまれました。
世界観を六波羅を恨んでる教師の口から聞くというなんとも歪な(笑)説明方法にしたのは本当によかったと思います。
憎しみなどが伝わってきますしね。

キャラについてですが、え、分かれますか?
光は鉄板。
茶々丸も嫌いな人いないでしょう。
√に入ってからもすごく可愛いし!!
というか、村正で別に嫌いな人あまりいませんね。
あ、正宗嫌いです。それと一条。
√は好きなんですけど、どうも一条は好きになれない。
普通√がよかったらキャラも好きなはずなんですけど、
やっぱ対極としての存在が強すぎて好きになれないのかも。
もしくはあの正義正義うるさいのが好きになれない原因かも(どこかの士郎と同じように)。
細目の方はキャラ的には好きです。
あの掛け合いは楽しく読んでました。
それと意外だったのは村正。
人間の姿を見た後に蜘蛛の姿を見ると、蜘蛛に萌えるようになりました。
変態でしょうか。
とりあえずパンツを脱ぎましょうか?

映像は良かったですね。
僕はド○クエで雑魚戦を飛ばしますが、解説はすごく楽しめましたよ笑
ただテンポは確実に悪くなりましたね。
ところで村正って燃えゲーですか?
僕はどうしてもそう思えません。
魔王編もまぁそれなりといったところ。
どこまでも理詰めの戦闘がそう思えない原因かも。
辰気を攻略するときもこっちにパズル解かせましたしね。
自分を憎んで殺し、光を愛して殺すところなんて感動に震えましたが、
そこも「燃える」と表現してよいかと言われるとダメかなと個人的には思います。

システムについて。
えーしおり結構使ったけどなー。
なんかセーブ画面開くのにすげー時間かかったのでよくしおり使いました。
あ、僕のパソコンのスペックのせいですか。ごめんなさい。
それよりも途中のシステムエラーってなんなんですか?
これも僕のパソコンのせいですか?
これのせいでせっかく選択肢の前までいってたのに、
もっかい3時間前からやり直し、とかざらにあったんですけど。
いや3時間もセーブせずにやってた僕のせいなんだけどさ!

ただのコメントにどんだけ書いてるんだって感じですが、もうちょっとお付き合いください。
共通の1・3章が面白かったのは同意。
5章も僕は好きでした。
景明がどうやって悪鬼への道を辿ることになったのかがわかったので。
ただ、5章で光自身が父のために天下布武をすると村正と話すシーンは必要だったかなとは思います。
魔王編などでも景明の勘違いを正すシーンがありますが、あそこで驚いてるの景明だけです。
あそこでプレイヤーも「そんな下らない(といってはいけませんが)理由だったのか」と驚かしてもよかったんじゃないかと思いますがどうなんでしょう。

復讐編
コメント見るだけでもその人の性格が現れてて面白いですね。
確かに言われてみれば悪鬼を人の法で裁くのは笑止千万というのも納得できます。
だからエンディングが「もう一方の正義に滅ぼされる」「復讐される」「悪鬼として生き続ける」の3つしか用意されてないのかな。
景明が救われただけと言うならば、英雄編でだって救われただけという見方もあると思います。
結局景明にとって死ぬことは救いでしかないのですから。

悪鬼編
この悪鬼編がなければ村正はこれほど評価されていなかったのではいかと思うほど僕は重要視しています。
悪鬼編の方が魔王編よりも好きだったかも。
生きながらえた主人公が逃避に走ろうとするのですが、ここまでやっておいてそれが許されるはずもなく数々の理不尽に直面する。
そうして「善悪相殺」で世の中を平和にするという結論に達する。
この一貫したテーマ性。
ようやくここで「村正」という作品は完成するわけです。
この悪鬼編こそは単なるエピローグではなく、この作品を完結させるためのエンディングの一つなのだと思います。

最後に。
別に善悪相殺、正義や復讐について魔王編や悪鬼編でも描かれているので、英雄編、復讐編を抜いてもよかったのではないか説を出しておきます。
ちょっと長すぎですよね…。
これは間違いなく90点台の作品でしょう。

P.S.
1つ分の記事くらい長くなってしまった…。
コメントなのにごめんなさい。
コメントって普通どんなんなんだろ。

まぁそれはともかく、やっぱり稀雪の文章って読みやすいね。
すごくまとまってるし。
もっと書いてくれることを願っています笑
弥生ちゃんかわかわ
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Author:間宮卓司様
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