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【レビュー】CARNIVAL








名シナリオライターとして挙げられる瀬戸口氏のデビュー作です。
このゲームを存分に楽しみたい方は上のムービーを見てください。そして、ムービーをみたらこのレビューを見ずにDLサイトでこのゲームを入金してプレイしてみてることをおすすめします!
このゲームがどういうものかを知りたい方は下のムービーを見てください(笑)


・シナリオ

登場人物(おもに主人子)が狂気じみています。
狂気じみているといっても、いかにも気が狂ったような行動をとるのではなく、私たちのような人たちが間違っても選択はしないであろう行動を何のためらいもなく行うという意味での狂気です。作者が考えた変な人、ではなくほんとにヤバい奴です。
といっても、主人公を取り巻くヒロイン二人(理紗と泉)から緊張感を感じ取れないので、狂気につつまれた世界を売りにした作品という感じもないです。

この二人に中和されがちですが、主人公はいろいろとしでかしています。
殺人、脱走、脅迫、強姦、監禁、暴行・・・おおよそ普通の人が犯す可能性のある犯罪はコンプリートしています・・・wwww

物語としては、あっと驚く展開!とかラストにかけての感動がすごい!とかいう感じではないです。シナリオ的にはプレイして1時間もしないうちに大筋がわかります。ただ、瀬戸口氏の癖のある文章がスパイスとなって、どんどんクリックしてしまいます。

ネタバレあり(クリックで展開)



OP詐欺ゲーとして有名ですが、冒頭1行で詐欺ってわかるゲームというのも珍しいですよね・・・。
冒頭シーンが警察から逃亡しているシーンっていうのもなかなかないもののように感じました。

以下雑然と思ったことをば。


・物語構成自体は佳作

上にも書きましたが、物語構成は至ってシンプルでした。
似た構造を持つ大作も何個かプレイしていたこともあって、本当にすぐに構造がわかりました。
だから、その部分を重視してゲームをしている方には合わないと思います。


・幸福とは

今作のテーマは何か、と問われたなら「幸福とは何か」だったと思います。
作中では幸福とは何かと尋ねられて「馬の前にぶらさがってるニンジン」と定義づけられていました。
要はどうやっても届かないものという解釈なのでしょう。
仮に届いたとしても食べてなくなってしまうもの。永遠ではない存在。
一方で万人がそう感じられる普遍的な幸福も存在しないとも解釈しています。
ブドリの話あたりから読み取れます。
ブドリ自身にとっての幸福はあれだったけど、周りからみれば幸福ではないかもしれない。また、妹のネリに関しても読み手(学と理紗)によって彼女は幸福に暮らせたかという意見が分かれる。
文学の解釈の違いともとれますが、万人がそうと感じられる幸福は存在しないのでは?という問いかけにも見えます。

万人がそうと感じられる幸福としては億万長者になる、とか愛する人とずっと暮らしていく、とかあるのでは?と思うかもしれませんが、今作ではそういう幸福は得てして幸福じゃないものが内包されていると切り捨ててます。
理紗という存在にそれが込められていました。
理紗の境遇は裕福な家の長女で、お淑やかで周囲の人や学校の先生、友達など多くの人に慕われ、容姿も端麗。
一見すれば、万人が幸福と思える境遇です。Sっ気の強い方なら「そういうやつを絶望の色に染めるのがいいんだよ」とか思われるレベルです。
ただし、理紗にとっては自らが作り上げた虚飾であり、幸福と感じていません。
お淑やかな少女を演じていないといけないし、父親という存在にレイプされるし、母親からはそれに気づいているのに何をするでもなく哀れんでるだけ。また、それを友達に打ち明けられない。
周囲からみると幸福そのものですが、本人からすると幸福ではない。
今作はそんな理紗が幸福を掴むための物語という構図になっていました。

結果的に、学と理紗は多くの人が幸福と思えない道を選択して物語は締めくくられます。
プレイヤー側からすると、「この二人幸福なの?」と思えてしまうのですが、彼らからすればささやかな幸せが含まれている道なのでしょう。
(実際のところこの道で幸せを掴めるのは理紗だけです。学には過酷な道になるかと。詳しくは後述)


・登場人物こどもばっか

年齢的ではなく、精神的にこどもです。

 泉
泉ちゃんは今作では常識人よりで大人っぽく見えますが、かなり刹那的な考えの持ち主です。
泉ルートでのご都合主義にもとれる流れ(詐欺に成功したり、万馬券当たったり)なんてのはそれを象徴していたのかと思います。

 詠美
目立ちたがりお嬢様。
ただ、目立ってどうするのか?という問いに答えられないというお茶目さん。
別に目立って男からちやほやされたいという訳ではないらしい。
おそらく、妹の麻里を守るために目立とうとしていたのではないかと思います。
父からも母からも愛されない麻里に愛を与えてあげるのは詠美のみ。
でも子どもである詠美では麻里を愛し守るのが難しい。
どうすればよいか。麻里を守るだけの力が必要。
そのためには、多くの人から認めてもらわなければならない。
目立つ。
かなり強引ですが、こういう流れから目立ちたいという想いはきたのかと。
こんなこと言う以前に自分が一番目立ってないといや!ってあたりがおこちゃまっぽいですね。
詠美さんかわいい。あとパンツ見えてますよ。

 麻里
いうまでもなく子どもです^^
Yes ロリータ. No touch.

 百恵
えっと、どちらさまでしたでしょうか?^^;;;;

 理紗
上で説明したようなひどい家庭環境に育った結果、精神的に不安定な成長を遂げているように思えます。
学に対する想いをどういったものか消化しきれていない様子です。
恋愛感情というよりかは自分を救い導いてくれる存在として捉えているように感じられます。
ラストで学と凌辱ではないセックスをしますが、それもお互いの想いを確かめ合うという感じではなかったような・・・。
幼少期から当たり前となった行為だったので、その意味を大きく感じ取ってないのかも。
生殖行為としてのセックスはわかっているけど、感情がそこにたどり着いていないというか。
好き、だけど、それが愛している、なのかは分からないという感じ。
学を恋人というよりかは尊敬する師ないしは父親と捉えているように感じられました。
物語はここで終わってしまうのでわかりませんが、この考えが変わっていかなければ学にとってはこのうえない拷問でしょう(続編の小説に書いてるのかな?)

 学
こちらも幼少期の虐待で大変なことに。
子どもかどうかはともかく、開き直ってからの狂い方は常人ではありません。
あと不感症気味ですね。これも子どもかどうかとは関係ないですが。
また、セックスという行為にあまりいいイメージを持っていない様子です。
詠美や百恵にはとりあえずレイプしたら精神的にも社会的にもダメージを与えられるとやってるだけですし、泉ルートではただ抱き合うだけのほうがいいとも言ってます。


・罪と罰
某ロシア作家の著作の話ではなく、学の罪についてです。
いろいろとやらかしています。
そういった罪は社会的には裁かれることなく終わってしまいます。
ただ、母親殺しから始まる一連の罪の帰着点として理紗という存在が現れます。
学(&武)を信じ続ける理紗という存在は「他人の心なんかわかるもんですかね」と考える学にとっては相当の重荷です。
本当に自分のことを信じているなんて分からない。けれど、理紗は「信じているよ」と言ってくる。いや、だから分かんないんだってば。
そして最後に理紗と共にいくシーンでは「どんなことがあっても信じる」という条件を理紗に掲示しています。
他人の心なんて完全にわかるはずがないと物語中で一貫して主張していた学にとって相手が理紗だったとしても信じ信じられる関係をずっと続けていくことは過酷なものだと思われます。
Scenario3を終えてからもう一度Scenario1の理紗ルートに入ると最後に
「理紗が望むなら、僕は人をやめて、神にでもなんでもなろう。」
と言っています。
理紗が学をどういう存在でいて欲しいか、ということにゆだねようとしています。
学にとっては罰はこういう形で現れることとなったように感じました。
逃避行のパートナーというよりも逃避行をしながら信頼関係を築きつつ、支えてあげないといけないという存在として理紗が隣に居続けるのです。
理紗の幸福のために学は多くのものを失うことになるでしょう。
続編の小説にはそのあたりのことも書いてあるとのことなので読みたいです・・・。

余談ですが、このシーンのあとにスタッフロールが流れますが、BGMがボーカル曲の「記憶」から「終わらない祭り」になってるのが印象的でした。
学と理紗の祭りは終わらない、という意味でしょうか?
なんにせよ、救いのない物語でした。


・考えすぎたこと
作品の途中まで「学の父=理紗の父」かと思っていました。
学の父が裕福な家の女性と結婚して~という記述があったので、そう考えていました。
真偽については本編で一切描かれていませんが、両方の声を聞いた感じ声質や話し方に違いが見られたので違うのでしょう。
この設定がもしあったら、それこそ学にとって救いのない物語になっていましたね・・・。


・描写のうまさ
理紗の父親の気持ち悪さを表現するのがうまかったです。
真面目そうでしっかり仕事をするできた人と見せかけて、娘からの承認の言葉を必死に得ようとしてる様など吐き気が催すほどでした。
近親相姦のシーンは明確には描写されませんでしたが、もしされていたら腐り姫につぐ生理的嫌悪が生じるシーンになっていたことでしょう・・・。

あと、言い回しも素敵でした。
Scenario3のラストでの神様のくだりは思わずキュンとしてしまいました(笑)


・BADENDの印象
学が理紗を銃殺するENDはすごく印象に残りました。
あの場面で理紗が言った「ある意味ハッピーエンドじゃないかな?」という言葉はグッときました。
TRUEでも限界といっていた理紗にとって、このまま自分がいなくなってしまうことは自分にとってもハッピー(幸せ)だし、学にとっても過去を思い起こすことがなくなって自分の道を歩んでいけるというハッピーにつながっていると思ったからでしょう。
ただし、理紗を自らの手で殺し、神にしてしまった学がその先に進める訳なんてなかったのですが。




・絵
今作の絵は影と服のしわを意識した書き方で立体感(肉感?)をうまく表現しています。
絵自体はうまいかどうかというのは微妙(特に泉の立ち絵。頭の形に違和感が・・・)なのですが、立体感で絵の印象を強めているように思えます。
性的な面でも立体感が出ていることで魅力を増します。巨乳キャラを書いても立体感がないといまいち巨乳という魅力を絵から感じられません。
今作では影をうまく使うことで立体感を表現した結果、登場キャラがなぜかエロく感じられます。あ、麻里ちゃんはちょっと微妙かもですが^^;;;
Hシーンで、全裸の絵が出てくるのですが、へそのくぼみ、肋骨のふくらみ、腋、肩甲骨、足の付け根を表現していて、エロさを増しています。
ただし、エロシーンの内容が大体ひどいので興奮するかと言われると微妙と言わざるを得ないです・・・。凌辱プレイなどがお好みの方ならそちら方面で重宝することになるかもしれません。
また、一枚絵の構図が絶妙です。構図を綿密に練っているのがわかります。

個人的にキャラデザインがツボりました。理紗ちゃんきゃわわ。



プレイ時間は6~10時間ぐらいとあっさりしています。
もうちょっと先が見て見たかったという気もするのですが、一方でこれくらいコンパクトだったからこそこの作品はよかったのかもとも思ってしまいます。
非常に荒削りながらもテーマがはっきりと伝わってくる、そんな作品でした。
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