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【レビュー】airy[F]airy~Easter of Sant'Ariccia~

airy[F]airy title


今は亡きRococoWorksさんの第二作目です。


惜しい。

この一言に尽きるかと思います。

ヨーロッパの片田舎を舞台にした牧歌的な物語です。
時間が非常にのんびりとした形で流れていきます。
キャラ絵は透明感があり、また背景絵も非常に完成度が高く、世界観をうまく引き立てていました。
正直キャラ絵をほめたたえるだけでひとつレビューが完成しそうな勢いです(笑)
BGMも世界観にあったのんびりとした曲調が多めになっています。
切迫したシーンも(一応)あるのでそれに合わせた曲調があるのですが、そちらも切迫した状況をうまく表現した曲に仕上がっています。
カタハネ~ヴァニタスの羊の4作(ロココさん的には3作ですが)で唯一サウンドトラックが発売されていないのですが、サウンドトラックが発売されることを切に願っております!
また、ボーカル曲が2曲ともいい曲です。EDの「誓いの夜、はじまりの朝」は結婚式に似合いそうな素敵な曲です!
作品に流れている空気感だけならば、いままでやってきたエロゲの中でも最高峰といっても過言ではありません。
テレビでやっている旅番組、特にヨーロッパを巡る回が好きな方にとっては至上の作品になると思われます。それほどまでに物語の雰囲気がきれいに作り上げられています。
ただ、ここから挙げる問題点が内包されているため、手放しに高評価と言う訳にはいかないのが実情です。


・シナリオ

「火曜の墓守」の微妙さ

主人公のエルモは火曜日を賭けて週1回戦っています。
バトル物ではなく「Eremita」というカードゲーム(後述)で戦っています。
この勝負に大敗するとエルモ自身が消滅したり、人間界から火曜日が失われるという結構深刻な勝負です。
今作の世界では土曜の戦いに誰かが敗北しており、土曜日が永遠に来ません。
限に消滅した曜日がある以上、エルモも信じざるを得ない状態です。
さらに、村人の多くはそういった状況を知らず、エルモがそのような戦いに挑んでいるなど知りません。
そして、前墓守であった義理の父、アルマンドはその役目を放棄し失踪したため、半ば強制的にその墓守を担うことになります。
このくらい深刻な状況となると、様々なプレッシャーや他の人にはわかってもらえないという疎外感、そしてそれを放棄することもできないという諦念というものが芽生えてくるはず・・・なのですが。
エルモは作中を見ている限り、「ちょっと思慮深い少年」という感じです。
日常シーンで他のキャラと墓守の話ができないということがあるとはいえ、墓守という重荷を背負っているようには見えません。
確かに、墓守というものを背負っている悲壮感を漂わせてしまうと、牧歌的な作風が損なわれてしまう恐れがあり、配慮があったのかもしれません。
しかし、配慮がいきすぎているため、墓守という設定が予想以上に排除されています。
そのため、プレイヤー側からすると火曜の墓守がエルモにとって、週1のめんどくさいバイトぐらいに感じてしまいます。
あと、この火曜の墓守がシナリオの根幹にないという状態です。
一応各ルートで絡んではくるのですが、他のイベントと同様の扱いで、結局なんだったのかな・・・?ってなります。


Eremitaの説明不足


前述したように火曜を賭けた戦いには「Eremita」というカードゲームで行われます。
聞きなれないゲームと思われますが、本作オリジナルのカードゲーム(のはず)です。
ルールは「ポイントが13点に近い方が勝つ。ただし、14点以上になった場合はその時点で負けが確定する」らしいです。また、カードの種類もいろいろなものがあるようで、戦略性の高いゲームであることがうかがえます。
一応チュートリアル的に説明はあります。
ただ、全貌を把握しきれないため、プレイヤー側としてはそのシーンで一体何が起こっているのか把握しきれません。
火曜を賭けた戦いは緊張感漂うシーンのはずなのですが、有利なのか不利なのか、また一つ一つの行動にどういう意味があるのかということが分からないので文面で勝った負けたということしか分かりません。
なので、エルモがすごい機転をきかせたプレイをした!と言われても「はぁ、そうですか」と、どこか冷めた印象になってしまいます。
もう少し、説明を加えていれば印象が真逆になっていただけにもったいないです。
あるいはこのEremitaをゲーム方式にしてプレイヤーに実際にやってもらうというのもアリだったかもしれません(予算度外視ですが)
そうであればルールも把握できた上で盛り上がり部分に移入できたと思います。
それか特典みたいな形でEremitaモードでも挿入して・・・これも予算度外視ですが(笑)
なんにせよ、やはりなじみがないゲームでルールがいまいち把握しきれないという点が仇となってしまっています。
ヴィジュアルノベルにおいてこのゲームをメインに使うのは難しかったように思われます。

何処へ行くの、世界の謎。

曜日をかけた戦いや妖精その他いろいろとファンタジー要素が含まれている本作ですが、ほとんどが説明なしで終了します。
各ルートも「えっ、これで終わったの!?」というようなタイミングで終わるので消化不良がすさまじいです。
さながら唐突に打ち切りを宣告されたマンガのごとき勢いです。
謎(伏線など)をしっかり説明し、回収しないと納得いかない人には間違ってもおすすめできない作品です・・・。
一方で、伏線とかはいいから、素敵な世界観で送られる人の営みを見ていられればよい、というタイプの人にはおすすめできます。


ライターさんの癖?

ライターさんの過去作を何作かやっている方なら分かるかと思いますが、特徴があります。

主人公(あるいはヒロイン)が相手の言っている内容を誤解する→会話がかみ合わなくなる→かみ合わないことに気付いてお互いの意図を言い合う→誤解に気付く→お互いに謝罪

おおよその会話シーンはこれで成り立ちます。
カタハネではそこまで気になりませんでしたが、Volume7と今作では結構鼻につきます。
私自身はこういう流れが嫌いではないのですが、それでも何度も出てくるので気になりました。

あと、回想シーンが多い。
それもここ一番という展開で挿入してしまうので、臨場感が損なわれてしまっています。
カタハネにおいては、アインとヴァレリーのとあるシーンでうまい具合に挿入されていましたが、今作では失敗かな?という感じです。


クリックで各キャラルートの感想(ネタバレあり)



コレットルート

airy[F]airy2

幼馴染コレコレのお話です。ひ~め~。
コレットがすごく可愛いです。こんな幼馴染どこかにいないでしょうか?
幼い頃は活発で勝気な女の子が病気を経て、心は元気でも身体が追いつかない状況になってしまい、周りにいろいろと手伝ってもらうようになり、自分自身に自身が持てなくなっています。
そこで敢えて自分自身を卑下にするようなことを言うようになり、それを相手に否定してもらうことで自信をかろうじて保とうとしています。(ちなみにこれに関してはルートで解消されない問題点です^^;;)
性格上、守ってもらってばかりではなく誰かを守りたい、役に立ちたいという思いを強く持っています。
それに気づいた(?)エルモが二人で共に支え合っていけばよいという考えに至るという流れになり、心が暖かくなりました。

と、そこまではよかったのですが終盤に失速していきます。
サンタリキアの復活祭とタベルノとハラペーニョ失踪事件が山場となってはいるのですが、いまいち盛り上がりに欠けてしまっていた形です。
ハラペーニョの一件は世界観の話にもっと絡んでくるのかな、と思っただけに「え、これで終わり!?」と驚かざるを得ませんでした。


モニカルート

airy[F]airy4

モニカ可愛い。

と、このルートで語るものはこれで終わらないですよ?
一応妖精界側の話や義父アルマンドが失踪した経緯は明らかにされます。
経緯だけでその真意がどういうものだったのかということは推測どまりになってます。
小出しにした感じがあるので、やっぱり続編とか考えたんじゃないでしょうかね・・・?
今となっては確かめようがないのですが・・・。
このルートの一番の盛り上がりがラストのEremitaだったのですが、やはりもう少しルールを理解できる環境でやってもらいたかった・・・。
ところで、モニカの車を欲しがった人って誰だったのでしょうか?


あ、サンタリキアでの告白シーン。ここのモニカはかなり可愛いかったです^^

airy[F]airy1


ヘレンルート

airy[F]airy3

プレイ当初、体験版での扱いなどからヘレンがメインヒロインと思っていました。
ただ、そうじゃなかったみたいですね・・・。
このルートのエルモはすごい勢いでわがままです。
モニカのアドバイスとはなんだったのか・・・。
そしてラストまでお互いの意思疎通がうまくいっていないまま有耶無耶になってしまっているのも気になりました。
ヘレンがなぜ妖精を選択したいのか、そしてエルモはなぜ妖精になってほしくないのか。
妖精という設定がいまいち明確化されていないせいもあって、お互いを類推するのも難しいです。
そして、どう考えてもラストシーン後がこのルートで重要になるお話であるはずなのに、そこで切るのか!?となりました・・・。
ヘレンの生い立ちや彼女が妖精を選ぼうとする理由などをお父さんに語っていただきたかったです。
ラストのフォローがないEVER17の優ルートみたいな形です。
そして、ヘレンがとてつもなく幼いという感じがしました。そんなヘレンに手を出すなんてエルモ・・・イケナイ人。


サラルート

airy[F]airy5

まさかのメインヒロイン、サラさんです。
そしてメインヒロインなのにシナリオ中にHシーンがないというすごいお方です。
てっきり最後に入るものだと思っていたので驚きです。
一応サラの母、モナ・ヴァネッサがエルモを冷遇する理由が明らかにされるのですが、それでいいのか?というのが率直な意見でした^^;;;
一応この作品を締めるルートで大きなトピックスであった部分をシナリオの根幹にほとんど絡まない理由で解決させてしまうというのはある意味衝撃的でした。
この作品の序盤にちりばめられた伏線とはなんだったのか、と。
ただ、このルートは終盤の展開が面白かったです。
しかしここでもEremita・・・。
この作品は下手な世界観説明をするよりもこのEremitaのルールをもっと詳しく説明して、プレイヤーに分からせるほうが評価が高まったかもしれません。
あとルートに入ってからヒロイン全員が絡むというのもよかったと思います。
それぞれのセリフにそれぞれのルートのことが含まれていたりしてにやりとできます。


タイトルの意味

airy[F]airyというのはなんとも特徴的なタイトルです。
そのまんまの意味(airy fairy)は美しいや空想的ならしいです。
[F]と囲うことによって門を隔てて人間界と妖精界を表したかったのかな?と思います。
サブタイトルはEaster of Sant'Aricciaで「サンタリキアの復活祭」なのですが・・・。
序盤の会話の大半はこの話題ですが、当の復活祭はそれぞれのルートでおざなりにされています。
ルートによってはいつのまにか終わってたり・・・。


テーマ

この作品は設定、伏線を放り投げてしまってますが、テーマを考えるとすると・・・

愛する人と共に支え合って生きる
それぞれの過去ではなくイマを共に生きていく。

の2点かと。
OPの「あなたの守りたいものは・・・なんですか?」という問いかけに対してそれぞれのルートで回答を示した形になっていたかと思います。
「忌み子」として不幸な境遇を決定づけられてしまった主人公エルモと、それぞれのヒロインが過去にそれぞれの事情を有している中で、それぞれの過去を見つめなおすのではなく、二人が一緒に歩める現在と未来を生きていこうというメッセージが込められていました。

「こういうテーマにしたかったから伏線や設定の回収をしなかった」なんていうことはないですよね・・・?
ある意味つじつまはあいますが、なんというか・・・。





世界観、絵、音楽面ではトップレベルのクオリティを誇っているのですが、シナリオがそこに追いつかなかったという印象です。
レビューする際に再度ところどころ再プレイしていたのですが、時間を忘れてプレイしてしまうくらいに雰囲気は素晴らしいです。

個人的にはこの世界観をシリーズ化してもらいたかったのですが・・・。
シリーズ化にすれば、各シリーズごとに世界の謎や伏線回収をちょくちょくしつつ感動のフィナーレへ・・・といった具合で多くの人に評価される作品になっていたかも・・・。
今作の作り方的にもシリーズ化はともかく続編ぐらいは出そうとしていたようには感じられます。世界観の説明やその他伏線を小出しにしていましたし。
それだけに本当に惜しい作品でした。
あとはシナリオ面で風呂敷を広げたままにせず、ある程度たたむことができていれば、90点台をつけるのをためらう必要のない名作と言えただけに・・・。
もし、続編が出たり完全版が出たりするようなことがあれば間違いなく購入すると思います。それくらいには思い入れのある作品です。

今現在安価で手に入るので、重いシナリオのゲームが続いて少し癒しが欲しいなーと思っているような方にはおすすめできます。あまり頭を使わずにいられる心地よいひと時にいざなってくれると思います。

追記
・・・主人公の容姿がすごく女性的でいちばん可愛いんじゃないかと思ってしまう今日この頃でございます。
個人的にはコレットが一番好きですが。
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