スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【レビュー】銀色



まぶしかった日のこと、そんな夏の日のこと―――――


ねこねこソフトのデビュー作です。

・シナリオ

鬱展開が目立ちます。
パッケージには、映画をイメージして作ったので紅茶やおかしと共にどうぞなんて書いてあるのですが、それどころじゃねえ!
コーヒー飲みながらプレイしていたら胃の調子がおかしくなりました(実話)
いろセカの真紅ちゃんのようにガバガバ飲んでた訳じゃなかったんですよ…?


どんな願いも叶えるという銀糸をめぐる物語です。
生きるということはどういうことか、願いをかなえるということはどういうことなのか、といったことを表現しています。
各章で時代が大きく異なります。また、物語の流れ方もライターさんごとに違いが見られます。
出色の出来は1章です。
片岡ともさんの作品が好きな方はぜひとも1章だけでもプレイしてもらいたいと思います。
ネタ的には3章がおすすめです。
ねーちんこと夕奈の豹変ぶりを見るだけでも非常に楽しめます(笑)

クリックでネタバレ



1章
片岡ともさんの書く文章のセンスの良さを感じました。
簡潔でありながら、奥深さを感じました。行間を読むというのに近いかも?
生きるために人を殺し、食べ物を奪う。
そのためだけに生きている主人公。(過去にいろいろとあったんですがね…)
売春宿から逃げ出し、主人公に出会い付きまとう名無しの少女。
殺伐とし、虚しさの漂う峠の物語です。
物心つくころには見ず知らずの男に汚されて、それ以外何もすることができなかった名無しの少女。
彼女が最期にせめて生きた証が欲しい、名前が欲しいと願うシーンはこみあげてくるものがありました。
何も持っていなかった彼女が最期に願ったのは、誰でももっている「名前」というささやかなものであったというのが悲しさを呼びます。
人はなぜ生きるのか、そして生きた証とはなんなのか、そういうことをちょっと考えてしまうものでした。

また、Hシーンが売春宿で犯されている回想のみで、主人公とのHシーンがなかったというのも好感が持てました。
そういう関係でもなかっただけにHシーンが入ってしまうと違和感しかなかったと思います。
エロとは違う、精神的な18禁作品を目指す片岡ともさんらしい選択だな、と思いました。

お気に入りのシーンはきれいなおにぎりを食べるシーン。
あそこのセリフは切ないです。

2章
良作とも言えるし、ひたすらに平凡とも言えるシナリオです。
今作発売当時のエロゲー界隈はシナリオゲーと呼ばれるものがそれほど多くなかったと考えれば、十分出来がいいと言えるかもしれません。
ただ、今となってはありふれた物語としかとらえられないかもしれません。
ヒロインとヒロインを育てた爺を悪く言う村人に対して怒りをぶつけた主人公には共感を覚えました。
重箱の隅をつつく形になって恐縮ですが、人柱に関する主人公の認識に違和感が。
あの当時であれば、人柱を立てることで自然を鎮めようとするという風習は多く見られたと思われます。
都暮らしであった主人公もそういうものがあるということぐらい知っていそうなものですが…。
例え愛した人であったとしても、人柱を立てるということはやむを得ないことであり、ぐっとこらえるというほうが自然だったと思います。
そうすると、話が一気にへぼくなりそうですけど^^;;;;


3章
今作きっての問題シナリオ。
ひ○らしのL5よろしく発狂するねーちんとそんな彼女を支える妹の姉妹愛を描いたシナリオです(嘘)

正直なところねーちんはネタとしては素晴らしい存在ですが、真面目に捉えるとなんだこいつ、っていう印象です。
ひたすら妹の朝奈を追い詰めていきます。
昼ドラの姑に似ている気がするので、昼ドラ好きの方は素直に楽しめるかもしれません。
昼ドラ系をあまりみない私には辛くて耐えれませんでした…。
途中から無念のスキップでやりすごしました^^;;;;
ただ、「この裏切り者!」は屈指の名言です(笑)

この章はねーちんのイロモノっぷりが際立っていますが、主人公もなかなかのクズです。
事情を聞いたにも関わらず、姉である夕奈に理解を示さずに明らかに朝奈の肩を持つ。少しでも考えれば、姉が疑心暗鬼になるのも何となく分かりそうなものですが…。
そして、姉にすべてを打ち明けようとする妹をとどめて抱く。
この主人公やることなすこと全部裏目に出ています。
WA2のようにヒロインたちがうまく立ち回って、問題解決ともならず、結局泥沼の結末を迎えます。
ラストの展開自体は悲劇ですが、私としては当然の帰結と感じ、滑稽な喜劇だと思ってしまいました。

4章、錆、銀色
現代編と銀糸生誕編、1章の前日譚、そして幕間の久瀬様と石切の物語を締めるシナリオです。
現代編はいまいちインパクトが薄かったです。
出来としては悪くないのですが、錆や過去編と比べると弱いです。

錆は痛々しいです。時代的には銀糸のおかげで旱魃が終わったあたりでしょう。
小さく健気な姉妹が生きるために選択した行為、そしてその代償と得るものが少しの握り飯。
1章の握り飯が人の命よりも尊い世界とリンクしていて、辛かったです。
錆を終わらせたあとに1章をやるとさらに切なさが増します。

銀色はこの物語を締める重要なシナリオです。
願いをかなえる銀糸について久瀬様が述べた「いかなる願いも、代償を払うからこそ価値がある」というセリフがこの作品のメッセージのように思えます。
そして、「自ら願いをかなえる力や機会を与えられない人たちはどうすればいいのか?」という問いも浮かび上がってきます。
この2つの問いは続編ともいえる朱-Aka-に引き継がれていくのですが…。


生きるというものについて表現した意欲作であったように思えます。
どの章においても、生きた証を残すことに成功したという点では救いのあるお話であると思います。物語自体はBADENDですが^^;;;;



・システムなどなど

システム自体はNscripterそのままと考えていただければと思います。
もう15年ほど前の作品なので不便なのは致し方ないと考えるべきかと…。
同様に絵も古くささがあります。今のようなかわいらしい絵に慣れている人は受け付けないかもしれません。
BGMはねこねこソフトというだけあって、非常にクオリティが高いです。
鬱展開が多いため、暗いイメージの曲が多く、サントラを聞いてるとこれまた胃が痛くなること請け合いです(笑)

珍しいのは英語版があるということ。
設定で英語版にすると文が英文に変わります。
セリフは日本語なのでちょっとした英語の勉強にも使えるかもしれません(笑)


古臭さが見受けられますが、今プレイしても決して見劣りしない一作であると思います。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

弥生ちゃんかわかわ
【ハピメア】応援バナー
FC2カウンター
プロフィール

間宮卓司様

Author:間宮卓司様
やったゲームの感想などを書いてます。
4人でやってるので、記事によって文体が違います。
好きなゲームはいろいろ。
嫌いなゲームもいろいろ。
そしていろいろな場所に住んでおります。


スパイラルマターイ ミ☆

◇Twitterはじめました。
Twitterアカウント
msd_kai





ご意見・ご要望、その他何かございましたら以下のメールアドレスまでよろしくお願いします。(☆を@に変えてください)

takuji_misudo☆yahoo.co.jp

最新記事
カテゴリ
最新コメント
月別アーカイブ
最新トラックバック
リンク
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。