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【レビュー】FLOWERS -Le volume sur printemps-



発売してから少し時期がたってしまいましたが、「人見知りかつパンツで汗を拭いちゃう系女子、白羽蘇芳ちゃんが、アミティエと呼ばれる同居人たちと一緒にお風呂に入れる関係になるまでを描いたヒューマンドラマ」である、「FLOWERS」のレビューです。(冗談ですが、あながち間違いではないという 笑)
非18禁作品なので、性的描写はありません。
また、登場人物に男性が出てきません(各キャラのセリフで少々登場するぐらいです)。

なんといっても、主人公の蘇芳ちゃんが可愛いです。
今作のメインヒロインは彼女といっても過言ではないでしょう。

suochan.jpg

こちらの画像をご覧ください。
学校の図書館を訪れ、自分好みの本がいっぱいあることを喜んでいるシーンです。
普段は、物静かで深窓のお嬢様なんて言葉がぴったりな蘇芳ちゃんですが、好きなものに対しては年相応に喜んじゃったりします。
ずるい、ずるいですよ蘇芳ちゃん(林檎ちゃん風に)


ringochan.jpg

それと林檎ちゃんもお気に入りです(ほくろが一つの方です)。
のんびりマイペースな彼女ですが、蘇芳ちゃんとお友達になるためにがんばっちゃいます。
姉の苺ちゃんと共に、メインヒロイン2人の出番を食ってしまわん勢いで活躍(?)しておりました(笑)


女の子同士の恋愛と友情をテーマにした物語です。
お嬢様たちが男子禁制のキリスト教学校で友情や愛を育む、という字面から想像するものは大体含まれていると思います。
そういう雰囲気が大好きな方は、間違いなく楽しめるはずです!
また、細部まで丁寧に作りこまれているので、作品に没頭できました。
物語の展開が単調だ、という指摘もありますが、人里離れた女性ばかりの学校、という設定から生まれる展開は限りがありますし、多くの展開の中心になる人付き合いの問題というのは、思春期の子たちにとっては大きなトピックなはずです。
「そういうことあるよね」と思えるリアルさと、物語特有の綺麗さが相まって、いい感じに作品世界に没頭できるようになっていると思います。

ルートは2つあるのですが、片方は完全におまけと言い切ってしまっていいくらい文量も内容も薄いものでしたので、一本道のゲームとして捉えたほうがよいでしょう。
そして、シリーズものだからか、今作「春篇」できれいにお話が終わらず、プレイ後はもやもやとした気持ちになります。
なので、きれいに終わる作品がいい!という方は、全シリーズが出尽くしてからプレイしたほうがいいかもしれません。
また、主人公である蘇芳ちゃんは非常に引っ込み思案です。だが、それがいい
なかなか行動に出ない、そして心の中でいじいじしているシーンを作中で何度も見ることになりますので、そういうのが苦手な方はご注意ください。
あと、明らかに美人なのに、美人と言われると社交辞令なんて思っちゃうくらい鈍感なのですが、そこはあまり鼻につきませんでした(男キャラだと、最近ありがちですし鼻につくのですが…。本当にかわいいって正義なのですね… 笑)。



プレイ時間は、既読スキップや選択肢ジャンプを使用して10時間ぐらいだと思います。
ハーフプライス作品ということを考慮しても、少し短めでしょうか?
ただ、プレイ時間を補って余りあるくらい、キャラの絵と背景、そして曲が素晴らしかったです。
上のデモムービーを見ていただけたらわかると思いますが、ほんとに雰囲気抜群です!
特に曲は、喫茶店で流れていてもおかしくないようなほどの雰囲気のよさです。
曲とシナリオと絵が見事に重なって、プレイ中は吐く息が桜色になってしまいそうでした(笑)


そして、イノグレということで、気になるであろう「推理パート」。
他のレビューでも言われていることですが、あまり期待しないほうがいいです。
物語の中でいろんな手がかりを探っていって、プレイヤーがそれをヒントに謎を解くという感じではなく、知識を問われるものが多かったです。
それも、基礎知識というよりかはキリスト教や文学的素養が求められますので、たいていの人はネットを立ち上げて検索するor攻略サイトを見るという道に向かうと思います。
自分の友達たちを助けるために、蘇芳ちゃんががんばって考えるという展開はいいのですが、プレイヤー側としてはちょっと残念な推理パートでした。


以下、ネタバレありの感想

クリックで展開(ネタバレあり)


今作の一番の盛り上がりは、沙沙貴姉妹失踪事件だったと思います(Chapter6)。
それ以降、蘇芳ちゃんとアミティエの関係がメインとなっていきますが、Chapter6を超える感動をなかったように思います。
そのことから、今作のメインテーマは「女の子同士の恋愛」ではなく、「心を閉ざしていた蘇芳ちゃんが、心を開き、友達を作っていく」ってところにあったように感じました。
なので、百合だけに注目すると少し物足りなさを感じます。
ただ、女の子たちのお友達関係に注目すると、結構楽しめます。
特に、沙沙貴姉妹と蘇芳ちゃんのやり取りは、個人的に満足できるものでした。
みんながみんな世間知らずだからなのか、友達であることがすごい大きなステータスとして扱われていたのも面白かったです。
また、車椅子の少女こと「八重垣えりか」と蘇芳ちゃんの関係もとってもよかったです!
個人的にはこの二人のカップリングが一番のお気にいりで、アンケートはがきのお礼がこの二人の絵ということを知ったときは、人知れず大喜びしてました(笑)
この先、この二人の関係はどうなっていくのか気になります…!


そして…
蘇芳ちゃん(´;ω;`)

あのラスト、蘇芳ちゃんが可愛そうでした…。
二人のアミティエに触発されて、人付き合いに積極的になれるようになった矢先の出来事だっただけに、また蘇芳ちゃんが心を閉ざしてしまうのではないかと思うと悲しいですね…。

あのラスト(マユリの退学)が唐突に見えますが、伏線はしっかり張られていたと思います。
七不思議の中で「真実の女神」だけ妙に強調されていましたし、「真実の女神」の「真実」という言葉に蘇芳ちゃんが違和感を覚える描写もありました。
そのあたりからも、何かあるのでは?と思えるようになっていたと思えます。
また、他のレビューにありましたが、「退学が決まっている優秀な生徒に最後の思い出づくりのために聖母役を任せるという特別措置」を学院が設定しており、それを七不思議という文脈で生徒たちは受け取ったという説が正しいと考えるとつじつまが合うのではないでしょうか。
ダリア先生の直前の振る舞いなど不可解な点はありますが、大方納得のいく仮説だと思います。
問題なのは、その伏線が分かりづらいこと(これは作者の意図かもしれませんが)と、あそこで終わってしまうことでBADENDのように感じてしまうというところにあると思います。
この2点があのラストに唐突さを感じ、もやもやした気持ちにさせてしまう要因でしょう。
しかし、百合作品のシリーズものということを鑑みると、あのラストはマリみてのオマージュ(俗にいう“レイニー止め”)とも解釈できます。
そうだとしたら、 百合好きのひととってはうまいと思わずにはいられないかもしれません。
とはいっても、自分は続きが気になって仕方ないことには変わりがなく、 早く夏篇来てくれー!と思わずにはいられません!
と、完全に製作陣の術中にハマってしまっているような気がします…^^;;


あと…
立花ちゃん(´・ω・`)

中盤以降、立花が蘇芳ちゃんが好きすぎて、半ば暴走してしまいますが、あれ完全に悪役じゃないですか…。
立花はそこまで好きという訳ではなかったのですが、あれには同情してしまいました…。
あの展開があったことで、3人の関係がひとまず修復したあとの、やたら理解のある立花に「まだ何か企んでいるんじゃないのか…?」という疑念を拭いきれなかったです。
立花ルートで、フォローが入るのかな?と思ったら、あまりにもあっさり終わってしまったので、唖然としてしまいました^^;
立花ルートはマユリルートの逆(立花と蘇芳ちゃんがつっくきそうなのをマユリが妨害する)みたなのが来ると予想していたので…。
あんなあっさり終わるなら、ルートなしでもよかったのでは…?とさえ思います。
立花のフォローがあまりなかったため、ネガティブなイメージが残ったままというは、今作のもやもや感を強める結果にもつながっているように思います。
ただ、立花ルートに入るための選択肢を進んでいくと、マユリルートであまり出番がなかったダリア先生や小御門先輩の魅力がいっぱいにつまったエピソードが挿入されていたのはよかったです。

最後に、次回作についての妄想を書きなぐります(笑)
夏篇はえりかが主人公だそうですが、一体誰と百合展開を迎えるのか気になります…!
また、蘇芳ちゃんとの関係もどうなるのやら…。
マユリルートの後なら、傷心した蘇芳ちゃんになっているだろうし、そんな彼女をえりかはどう思うのでしょうか…?
いかん、書いたら気になってきた…。
秋篇はニカイアコンビがメインになるんじゃないかなー?と想像しております。
あの二人も今作を見た感じ一筋縄じゃいかない関係のようですし、ひと悶着ありそうです。
そして、最後を飾る(?)冬篇は蘇芳ちゃんがまた主人公になって、大団円を迎えることを期待してます!
蘇芳ちゃんもなんだかんだ気持ちがフラフラしてますし、マユリと離ればなれになったあとに、別の子とお付き合いしてしまって、そこにマユリが戻ってきて…!?みたいな展開がありそうです(笑)





「百合好きの百合好きによる百合好きのための百合ゲー」です。

なので、あまり百合作品に触れたことのない人からすると、うーんって思うところもあると思います。
特に、綺麗に終わっていないので、1つの作品として見ると消化不良気味です。
しかし、百合作品とはかくありき、というところをしっかり押さえた作品でもありますので、百合作品に少しでも興味がある方は是非ともプレイしてみてはいかがでしょうか?
あと、冒頭に書いた「パンツで汗拭いちゃう」ってどういうこと?という方も是非!(笑)

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【雑記】腐り姫

更新が滞ってしまっていて、すいません。
ツイッターなんて、もはやbot化してますね・・・。

とりあえず、邪魔な広告を消すためにも!と思い、書きなぐります。

ということで、先月メガストアさんで収録されていた腐り姫について。
前回のレビュー(記事はこちら)で書き忘れたと個人的に思った部分を書きます。

前回はシナリオを中心に見ていきましたが、今回は腐り姫で使われている独特な演出についてレビューしていきます。
一応、腐り姫のお話自体のネタバレは避けるようにしますが、まっさらな状態でプレイしたい!という方はプレイしてから見ていただけたらと思います。


クリックで展開(公式HPレベルのネタバレあり)



私は「腐り姫」という作品がとても好きです。
物語のつくりが丁寧であり、そして奥深く、考察しがいのあるシナリオであるからです。
それともう一つ、他のゲームではあまり見られない演出方法があったというのも好印象な理由です。

それは、回想の挿入方法。
記憶喪失の主人公が、作中でふと過去の情景を思い出すシーンがあります。
物語的にも主人公の記憶が一つの鍵となるので、できるだけ強調したいところです。
そういう場合、普通なら、フェードアウトして、過去のシーンに飛んで、過去の主人公の視点で文章と立ち絵(あるいは一枚絵)が描き出されているのをプレイヤーはみて、過去の記憶を知ることになります。
ただ、この腐り姫はそこに少し工夫を凝らしています。
まずは、フェードアウトの仕方。
「樹里のテェマ」という曲があるのですが、その曲の冒頭を使って、現実から一気に過去に誘います。
そこに過去のシーンをフェードインさせる演出を使うことで、視覚的にも聴覚的にも回想シーンを印象付けています。
抜け出すときも同様の演出を使用しています。
(後々にこの曲が重要な部分で流れてくるときに聴きなれていることがさらに強い演出効果を生んでたりするのですが、それはネタバレになりますのでパスで^^;;;)
次に、回想シーンの描き方。
先ほども述べたように、回想に入ったら、過去の主人公の視点で文章でそのシーンを描くことが一般的です。
そこを今作では、まったく文章に起こさずに、音声だけで表現しています。
つまり、一枚絵を背景に登場人物のセリフが流れるだけ、という状況です。
これも、今まで主人公視点で物語が語られていたのと回想シーンを区別するという点で大きな効果を発揮しています。
そして、多くを語らないが故にプレイヤー側に大きな意味を含ませることにもなっています。


説明だけでは、いまいちピンとこないかもしれませんが、プレイされた方なら何となく言いたいことが分かっていただけたかと思います。
この回想の挿入方法は自分がやってきたゲームの中では腐り姫のみです。(注:同じライターさんが手がけたForestも同じ手法をとっているらしいです)
この表現方法はエロゲというゲームジャンルにしかできない可能性を秘めていたように思えたのですが、それ以降のゲームで主流となっていないのが少し残念に思います。

シナリオ面だけでなく、演出面においても腐り姫は今も錆びることなく、輝きを放っているように感じます。
というより、腐り姫はすべての側面が絶妙なバランスを持って世界観を形成しているという点では、エロゲーの最高峰に近いように思えます。
絵もあの絵柄であるからこそでしょう。あの絵が一般的な萌え絵だったら、世界観が台無しになっていたと思います。絵で回避したというのをよく聞くので、残念でなりません…。

ただ、惜しむらくは、後半部分の(以下ネタバレのため検閲)



ということで、まだプレイしていない方は、是非プレイしてみてください!

ダウンロード版もダウンロードサイトで販売されていますが、今ならメガストアさんを購入したほうが安いですよ!
売り切れる前に購入しましょう!

【レビュー】スミッコ探偵倶楽部 PARTⅡ うしろめたい少女

なつくもゆるる予約特典「スミッコ探偵倶楽部 PARTⅡ うしろめたい少女」のレビューです。

なつくもゆるるが本ブログの記事で割と辛口評価されていますが、私たちの愛が強すぎたゆえんです・・・。
渡辺さんの作品に触れたことのない方であれば、非常に楽しめる一作のはずです。
それについてはまた別の機会に書けたらと思います。

ということで、スミッコ探偵倶楽部 PARTⅡ うしろめたい少女(以下うしろめたい少女)のレビューです。
この作品は、シナリオ担当が渡辺僚一先生ではなく、なんと荒川工先生が担当されています。
有名ライターさん起用ということで、予算は大丈夫なのかという不安がよぎるのですが、果たして黒字は達成できたのでしょうか…!?


以下、感想です。

クリックで感想(ネタバレあり)


正直な感想を言うと、あきおの名探偵・タノウマベイに消ゆの2作に比べると笑いの面が弱かったかなー?という感じです。
3作品とも元ネタが中年層をターゲットとしたものなので、その層ではない私は半分も元ネタが分からない状況でした。
それでも前の2作品は勢いで笑わせてくれましたが、今作は勢いが弱かったような気がしました。

ただ、表現的にはうまい!と思えるシーンが多かったので、退屈はせずに楽しくプレイできました。
まあ、親父ギャグ的な意味なのですが、

umai.jpg


umai2.jpg

という感じで「おおー、うまいなwww」ってなりました。
あとは、波乱を「よぶ」など言葉の使い方にセンスがあって、おもしろかったです。




特筆すべき点を二点とりあげて言うとしたら、まず、冒頭シーンです。

shabettaaaaaa.jpg

冒頭でいきなり死体がしゃべります。
というか、今作のピークはこの冒頭に集約されていましたwwwww

なんせ

jikoshinkoku.jpg

jikoshinkoku2.jpg

まさかの自己申告
ひどい、ひどすぎます!(褒め言葉)


もう一点はライターの自虐ネタです。
スクショをあげようかと思ったのですが、少しアレなのでやめておきますwww
荒川先生ファンの方なら自明のものなのかもしれないのですが、私は知らなかったので思わずマ○オさんみたいに「ええーっ!?」って驚いてしまいました。
某メ○ャーリーガーと同じ学校だったとか、部活動の悲劇とか。
あ、ライターになった後の呪われ体質だけは知っていました!
・・・すみっこソフトの明日はどっちだ。


まとめ

まとめ

この一言が制作陣とプレイヤーの気持ちを見事に表現していると思いますwww
私としてはいい意味で「どうしてこうなった」という感想ですwww

おまけシナリオは期待通りの面白さでした。

次回作期待しています!(すみっこソフトのお偉いさんに向けて)


追記

ところで、パッケージ絵は一体何を表していたのでしょうか…?

【レビュー】Rain memory-あまやどり-

なつくる


僕は、雨が嫌いだ。



同人サークルflapによる短編ゲームで、ダウンロード版が1980円と低価格帯です。
それに伴いプレイ時間も3時間ほどと一晩夜更かしをすればコンプできてしまう代物です。

雨の日がメインの舞台となっていることもあってか、暗めの作品です。ダウナー系とでも言うのでしょうか?
設定自体はノベルゲーム界隈では見たことのある、言ってしまえばありきたりなものですし、展開も既視感があるかもしれません。
文章は雰囲気にあった感じなので、ギャグ要素は皆無です。あと、ダウナー系の雰囲気を出すためなのか、ところどころ文語調になったりします。(「やっぱり」を「矢ッ張り」と表現しているなど)
少しなのですが、そういうのが鼻につく人はつくかもしれないです。

良かった点としては、キャラの感情の機微をうまく表現されていた点です。
設定で「またこの手のゲームかー」とうんざりしそうになりつつも、他のゲームとはちょっと違ったスパイスがあったので苦どころか楽しくプレイできました。
キャラ視点で語られるゲームの技法としてセンスを感じました。
また、ラストの展開も特徴の一つかと思います。
それまでの展開は予想できるのですが、ラストは少し驚かされました。

他に評価できる点としては抜き要素が高かったという点です。
絵柄は可愛らしい感じなのですが、Hシーンが妙にエロい。
シナリオの評判を見て購入したため、エロについては考慮していなかったのですが、予想外のエロさにびっくりしましたww
バリエーションも豊富で、チアガールや水着、体操着といった学園ものの定番から病院で器具を使ったものなどがあります。
好きなジャンルがあれば、抜き要素としても使用可かと思われます。
また、「簡単鑑賞モード」というもので本作をプレイせずにCGや回想シーンを観ることが可能になるというシステムが搭載されています。プレイしなくてもエロ目的に走れる便利機能です!
・・・このようなモードがついているということは抜き要素も売りの一つとしてPRしていたということなのでしょうか?
私はプレイするまでまったく知りませんでした・・・。お恥ずかしい限りです^^;;;

低価格帯のゲームでシナリオがそこそこよく、かつ抜き要素としても十分なので非常にコストパフォーマンスは高いと思います。
名作のように素晴らしい展開や感動といったものは得られないかもしれないですが、心のどこかにひっかき傷を残していく、そんな作品でした。

現在「DMM.com」さんにて半額セール980円でダウンロード購入可能なので、ゴールデンウィークにとくにすることないなー、と思っていらっしゃる方は購入してみてはいかがでしょうか?



以下ネタバレあり(クリックして展開)




3周目までの主人公の心情はうまいな、と思いました。
1周目から主人公がひたすらに違和感を抱いていて、3周目のTRUEでその違和感の正体に気付くというのは面白かったです。
ループものに主人公が「気付く」という点にうまく焦点を当てていたのがうまい、と思いました。

TRUEルートのラストのラストで一気にひっくり返されるような形になっていたのが個人的に好印象です。
TRUEルートのラスト直前までは「あー、二人は無事に幸せになれたんだなー。イイハナシダナー」という印象で、ちょっと物足りなさを感じてただけに、いきなり「え、なにそのセリフ!?」ってなりましたwww
また、TRUE後に再プレイしたときはシンフォニック=レインを彷彿とさせる鬱要素を感じました。
玲音にまた会えるかという問いに対して「……うん。思うよ……僕は」というセリフがあるのですが、それまでのループとは違った重みが与えられてぞくっとしました。
「だから僕は繰り返さなければいけない」
という言葉を残してこの物語は輪廻の輪の中に閉じていったのがとても印象的でした。

ループものの作品というのはとかく「ループを超越した世界を目指す」というものが多いですが、今作は逆に「ループの中に閉じ込められていたい」という形になっていて、負のエネルギーを感じさせます。
個人的にはそこが斬新に思えました。
前者の場合だと、ループを超越して物語が区切られるという点で読後感がすっきりしたものになるのですが、後者である今作はもやもやします。
「え、これで終わりなの?主人公はどうなったの?玲音は?」
という気持ちを抱えたままゲームを去ることになります。
これで玲音が目を覚まして主人公を見守る、といった描写でもあれば、少しは救われた気持ちになるのですが、そういうものもなかったので、結局二人は・・・。

きれいに終わって「いい話だった」とすっきりする感じではなく、なんともいえない終わりを迎えてもやもやするというタイプの作品です。
そういった形の作品としてはとても出来のよい作品でした。



追記
調べてみたら、Gyuttoさんでも半額セールがなされているようでした。
5月13日までらしいのでよろしければどうぞー!

【体験版】女装海峡

女装海峡バナー

脳内彼女の男の娘シリーズ第2弾の体験版レビューです。
萌えゲーアワードの話題部門金賞を獲得した「女装山脈」に続く第二作目。

立ち絵ありのキャラが全員男の娘というエロゲーとしてはかなり異端な作品ですwww
その立ち絵もパンツが見えると股間部がもっこりしていて、細部までこだわっているんだなーと感心しました。

体験版は2時間程度で、物語の全貌がほとんど明らかになっている感じです。共通パートのほぼ全部を収録しているのかも?
Hシーンは3シーンで本番はなしです。
全部男の娘に攻められる流れのもので、主人公のち○こが弄ばれています。
サンプルを見ている感じだと本番シーン以外のプレイも多いようなので、男の娘に弄ばれるのがいい!っていう方にぴったりかも?
個人的には主人公がヒロイン(?)のち○こを弄んだりするプレイがあるのかが気になります!

見た目が完全に女の子なので、ホモとかショタの属性がなくても結構プレイできると思います。
正直ふたなり少女と見ることも可能なので、ち○こがついた女の子がHなことしているのが好きな方もいけるかと。
厳密には男の娘とふたなりは似て非なるものらしいのですが、そういうことを考えずに気軽にプレイしたら楽しめると思います。

製品版は3800円とロープライスものなので、ニッチな抜きゲ―をしてみたい!という方は要チェックです!


おまけ

hougen

波打際のむ○みさんが巷で話題になっている中で、九州北部の訛りで話すキャラが出てくるというのはタイムリーだなーと思いましたwww

【レビュー】冬は幻の鏡




知る人ぞ知る同人サークル「半端マニアソフト」の処女作です。
同サークルの「Indigo」と世界観が同じということから公式HPで無料ダウンロードができます。

はるまで、くるる。のライターでもある渡辺僚一氏がシナリオを手掛けているので、下ネタが多いです。
渡辺氏のすごいところはその下ネタが嫌味たらしくなく、笑えてしまうという点にあります。
しかし、やはり下ネタが嫌いという方からすると鼻につくと思われるので考慮していただけたらと思います。

下ネタを入れつつ、(いい意味で)頭のおかしい日常シーンが展開されていくのですが、それが面白いですww
一例を出すと、選択肢に
a 切腹する。
b ティンコ踊りをする。
c 鈴夫を犯す。
d 禁断症状に襲われる。
とか出てきます。もう意味分かりませんwwww
どれを選んでも物語の展開に影響はないのですが、全部選択したくなる素敵な(?)選択肢がいっぱいあります。

シナリオ

北海道を舞台とした伝奇物です。
各ルートで徐々に真相が明らかになる形が非常にうまいな、と思いました。
それぞれのルートで一つの物語がうまく区切られていくのですが、他のルートで語られていなかった伏線や出来事が明らかになっていく流れでどのルートも楽しめました。
同じ時間軸を4人の視点から見る形なのですが、あのキャラがこう言った意図はこうだったのか、というようなことが分かるので、これもよかったと思います。

あと、いわゆるBADENDを「Another end」と表現していたのが個人的にいいな、と思いました。
Another end後のヒントコーナーは野球要素があったので、やきう好きの方だと普通の人より笑える度数が倍増すると思われます。

絵やシステム

作品自体が2003年のもので10年前ということでこの面ではあまり期待できません。
特に絵はかなり不安定な上に、塗りがベタ塗り気味なので微妙です。
ただ、個人的に小月ちゃんのキャラデザはすごいと思いました。
頭に帽子(ターバン?)を被っているのですが、それが結構可愛らしく見えます。
一歩間違えるとエキゾチックな感じになってロリな小月には合わない感じになると思うんですが、そうなっていないのがすごいです。
ただ、好きな女の子キャラは百花ちゃんです^^;;;


クリックして展開(ネタバレあり)




小太郎ルート

このルートはとにもかくにも小太郎が素晴らしいですwww
小太郎視点で語られるのですが、めちゃくちゃ面白いです。
風俗に行くべきかどうかということをここまで葛藤したエロゲキャラはおそらく小太郎の他にいないでしょうwww
そして、ひたすら「ファック!」とか「ファッキン!」とか心の中で叫びます。ファックとファッキンを小太郎以上言ったことのある人はライターである渡辺氏ぐらいしかいないかと。
ヒロインが風俗嬢というのもいわゆる抜きゲ―ではない、シナリオメインのエロゲでは特殊な存在だと思われます。
これらの点だけでもこのルートは十二分に楽しめます。
あと、個人的には百花ちゃんがすごくかわいかったです。
実際に妹がいる方から見たら「妹はこんないいもんじゃないぞ・・・」とぼやいてしまいそうなくらいです。
出番があまりなかったのが残念でした。

和歌奈ルート

他のキャラ視点から見ると、すごくヒステリックな女の子ですが、実際に彼女の視点から見てもヒステリックな女の子だった和歌奈。
作者曰く、あまり人気がないそうですが、致し方ないかと・・・。
怒りっぽいですし、ヒステリック気味なうえに男っぽい思考の持ち主です。
これで人気出るほうが驚きですwww
ただ、リアルな女性をうまく描き出していたように思えるので、そういった点では素晴らしいルートだと思います。
ラストがちょっと盛り上がりに欠けていたのが残念でした。もうひと盛り上がりあってもよかったかな、と。
このルート辺りから鈴夫が怖く感じられるようになりました。


御堂ルート

一気に幽と現の世界に流れていくルート。
御堂くんは強さを求める求道者あのですが、思考がちょっと厨二病寄りなので序盤がちょっと痛々しかったです・・・。
小月ちゃんはスパッツキャラというだけで自分の中で一気に価値が高まりましたww
選択肢を間違えると即死という意味でなかなか殺伐とした雰囲気でした。

ゆうルート

最後を締め来るルートでしたが、まさかこんなに癖のあるキャラだったとは・・・www
殴って欲しいとかめちゃくちゃに犯されたいという感じでドMかと思ったら、小月ちゃんを凌辱するドSになったと思ったら、和歌奈や小太郎の前に思春期真っ盛りの乙女みたいな感じになったりと振れ幅がすさまじいキャラでしたww
留学生の幽霊事件が様々なものが絡まって発生したということが分かる伏線回収ルートでした。
それぞれのルートで「?」と思われたシーンをうまく説明してくれていたのでプレイ後はすっきりしました。




ところどころ粗はあるかもしれませんが、同人ゲームと考えると素晴らしい出来でした。
無料でダウンロードできるので、時間に余裕のある方は是非ともプレイをしてもらいたい作品です。
正直、これが在庫過多になっていたなんていうのが信じられない出来です。
まあ、下ネタだらけな上にそれぞれのヒロインが癖強くて万人受けしなったからなのでしょうが・・・www

余談ですが、OPムービーの御堂くんがななめに入っていくシーンがなぜかツボりました・・・www

テーマ : エロゲー
ジャンル : ゲーム

【レビュー?】J.Q.V人類救済部~With love from isotope~





同人サークル「Studio Beast」さんの作品です。

ライターさんの知識量がすさまじいです。
しかも、かなり幅広い分野を網羅していらっしゃるご様子です。
陳腐な表現になりますが、すごい。
膨大な知識量の上に成り立っているため、考察しようにもまずそれらの知識をしっかりと理解していかないといけないという感じです。
やろうと思えば1日でプレイできるぐらいのプレイ時間です。
私は1日3,4時間プレイで4日ぐらいで終わった、はずです・・・。

同人ゲームとは思えない完成度を誇っている上に、作中で語られていない部分もあって、考察しようと思えばいくらでも考察できそうな作品です。
そういった作品が好きな方は是非ともプレイしてみてはいかかでしょうか?

以下にざっとした感想を。

・文章(というか会話)のくせが強い

冒頭から結構かっ飛ばしています。下ネタ多め。
他のレビューでもよく言われていますが、田中ロミオ氏に似たものを感じます。
なので、田中ロミオ氏のシナリオが肌に合わなかった、あるいはプレイしたことないという方は体験版をやっておくことをおすすめします。
体験版プレイ5分ぐらいで合うか合わないかが判断できるかと思います。
合うと思った方はそれ以降どんどん作品に引き込まれていくはずです。

・緻密な世界観

人類が衰退していく世界です。
こういうとアニメ化した某ラノベをイメージされるかもしれませんが、雰囲気は真逆です。
某ラノベはのんびりした暖かい話ですが、今作は切ないです。
また、人類がどうして衰退したのかという過程を説得力ある設定を駆使して見事に表現していたように思えます。
Archiveシステムを利用して作中に出てくる用語を解説(回想)することでプレイヤーが世界観に置いて行かれないようになっていました。
用語解説をそっちに回したおかげで作中でいちいちキャラが解説することがなかったというのもプラスかと。

・音楽

場面を効果的に演出してありました。曲選択が絶妙。
病院と山小屋で流れていた曲を聞くと胸をきつく締め付けられる感覚に陥ります。
この曲はサウンドコレクションには入っていないようで残念でした・・・。

・絵

全体的にはうまいんじゃないかな、と思います。
ただ、一枚絵の下半身が異様にむっちりしていたのに違和感を覚えました。
多少ならムチムチな女の子でエロい!ってなるんでしょうが、ちょっと度が過ぎていたような・・・。


以下ネタバレあり(クリックで展開)



・ホラー展開と追い込み(?)展開

ナタリア絡みのイベントはホラー的で怖かったです・・・。
一回死んだ後に登場するときは、このまま消えることはないとは思っていたけど、驚かされました。
あとは、病院のシーンと山小屋のシーンの突き落とされる感じは辛かったです。
最初からどんどん追い込んでいったラストに救いを掲示するという展開はうまい!と思いました。
(レビューによっては田中ロミオ氏のシナリオまんまという意見もあるのですが、そうなのでしょうか?)


・タイトル

副題の「With love from isotope」という言葉が、終盤にきてどういう意味だったのかということが分かったのは鳥肌ものでした。


・ナタリアの正体(?)

正確には明かされていませんが、最初のOE例となるマリアのアイソトープだと考えられます。
そもそもナタリアというのはラテン語で「出生」という意味を持ち、新たなる生命の生誕、その第一号であることを表してるのではないでしょうか。
マリア自身はカナリアになったようなので、ナタリアは最初のOE後に人類のいくらかがニューエイジとなった存在群かと思われます。
変容しないが、人類であるということは人類が変容した存在であるということの示唆かと。
様々なチートはニューエイジだからこそなしえるものと強引に解釈すれば、なんとなーく納得できます。
そして、ナタリアの行動原理は「OEを起こしてしまった罪の償い」的なものかなー?と。
そのために、島地をマインドコントロールして、特区を持続可能な世界にしようとしていたと考えました。


・ラストの少女

島地の変容した結果なのは大体類推できます。変容を越えたニューエイジ種?
見た目が彬名に似ていたので、島地と彬名の子どもにも思えます。
無垢な少女という聖なる存在を彷彿とさせられますね。聖母的存在。

島地が最後に願ったことの答えが彼女でしょう。
その解釈で大きく意見が割れそうですが・・・。

個人的な考えとして2つぐらい挙げてみます。

1.継承・存続説
自らを人間でないと認識していた島地が最後に「人間」になるために、人間が行ってきた子を作るという行為を願ったのではないでしょうか?
人類を存続させ、その知を継承させるということは人類の至上命題の一つに挙げられます。
それを自らの恋人であった彬名との子という存在に託したかったのではないか?という考えです。
これは割と筋が通ってる気がします。もちろん穴はあるでしょうが・・・。

2.記憶説
島地が残したかったのは自分の記憶だったのではないか、という考え。
島地の世界において特区が崩壊したのは彬名が大きくかかわっていました。
彬名の存在によって、溜り場のメンバーとのバランスが崩れます。
そして、あの結末。
この一連の流れをただの後悔で済ますのではなく、自らを形成するものであると考えたのではないでしょうか?
そして、限りなく近い同位体である芽依との共通項としても彬名は存在します。
島地の大切な記憶の中に彬名は大きな比重を占めていたと思われます。
島地が経験してきたことを、人間となったことの証を残したいという願いが湧き上がり、それが彼女だったのかなと。
一番比重が大きなものに変容した結果かと。

この説だとナタリアとの関係はどうするんだ?というところでちょっと穴があるように思われます。
島地は最終的にはナタリアも許し、肯定します。
別にナタリアと直接関係なかったとしても、比重が大きな存在になっただけじゃん!と強引に押し切っても問題はないかもしれません。
または、よく見てみたらナタリアの面影も明日海さんの面影も小鈴の面影も(中略)の面影もあるじゃないか!という論も面白いかもしれません(笑)


・島地と芽依

お互いがお互いの望む存在なのでしょう。
島地からみた芽依はか弱く、不安定な「人間」らしい存在。
芽依からみた島地は強く、なんでもできるヒーロー的存在。
芽依が願った結果、それを観測したと作中ではなっていました(いましたよね・・・?)が、どちらもそういう存在を願った結果重なりあったのでしょうね。

そういや、ナタリアが島地を「あにたん」と呼ぶ理由もすばらでしたね!
語感から兄と思い込んでしまっていたことの恐ろしさを感じました。


・無垢

無垢を扱ったゲームとして、ねこねこソフトさんの「White~blanche comme la lune~」がありますが、今作はそれとはまた違った視点から無垢を描いていて個人的に面白かったです。
無垢な存在はどうやって人間社会を生きていくのか?という問いかけに対する回答も注目です。


・今作のテーマ

無垢であった島地が衰退世界を生きていく中で成長し、最後の一人となり消えるときに願ったものは何だったのか。
それが主題だったのではないかと思います。
「人間は極限状態において根源的に願うものは何か」という問いかけが主題のひとつであると思います。
他には、人と人との繋がり方、人の無力さ、無垢・・・などなどがあると思います。
正直「島地の成長物語」なんて言葉でしめてしまうにはもったいない作品だと思います。
(個人的に「成長物語」という言葉が好きじゃないからこういうこと言うのですが^^;;;;)






テーマ : エロゲー
ジャンル : ゲーム

【レビュー】CARNIVAL








名シナリオライターとして挙げられる瀬戸口氏のデビュー作です。
このゲームを存分に楽しみたい方は上のムービーを見てください。そして、ムービーをみたらこのレビューを見ずにDLサイトでこのゲームを入金してプレイしてみてることをおすすめします!
このゲームがどういうものかを知りたい方は下のムービーを見てください(笑)


・シナリオ

登場人物(おもに主人子)が狂気じみています。
狂気じみているといっても、いかにも気が狂ったような行動をとるのではなく、私たちのような人たちが間違っても選択はしないであろう行動を何のためらいもなく行うという意味での狂気です。作者が考えた変な人、ではなくほんとにヤバい奴です。
といっても、主人公を取り巻くヒロイン二人(理紗と泉)から緊張感を感じ取れないので、狂気につつまれた世界を売りにした作品という感じもないです。

この二人に中和されがちですが、主人公はいろいろとしでかしています。
殺人、脱走、脅迫、強姦、監禁、暴行・・・おおよそ普通の人が犯す可能性のある犯罪はコンプリートしています・・・wwww

物語としては、あっと驚く展開!とかラストにかけての感動がすごい!とかいう感じではないです。シナリオ的にはプレイして1時間もしないうちに大筋がわかります。ただ、瀬戸口氏の癖のある文章がスパイスとなって、どんどんクリックしてしまいます。

ネタバレあり(クリックで展開)



OP詐欺ゲーとして有名ですが、冒頭1行で詐欺ってわかるゲームというのも珍しいですよね・・・。
冒頭シーンが警察から逃亡しているシーンっていうのもなかなかないもののように感じました。

以下雑然と思ったことをば。


・物語構成自体は佳作

上にも書きましたが、物語構成は至ってシンプルでした。
似た構造を持つ大作も何個かプレイしていたこともあって、本当にすぐに構造がわかりました。
だから、その部分を重視してゲームをしている方には合わないと思います。


・幸福とは

今作のテーマは何か、と問われたなら「幸福とは何か」だったと思います。
作中では幸福とは何かと尋ねられて「馬の前にぶらさがってるニンジン」と定義づけられていました。
要はどうやっても届かないものという解釈なのでしょう。
仮に届いたとしても食べてなくなってしまうもの。永遠ではない存在。
一方で万人がそう感じられる普遍的な幸福も存在しないとも解釈しています。
ブドリの話あたりから読み取れます。
ブドリ自身にとっての幸福はあれだったけど、周りからみれば幸福ではないかもしれない。また、妹のネリに関しても読み手(学と理紗)によって彼女は幸福に暮らせたかという意見が分かれる。
文学の解釈の違いともとれますが、万人がそうと感じられる幸福は存在しないのでは?という問いかけにも見えます。

万人がそうと感じられる幸福としては億万長者になる、とか愛する人とずっと暮らしていく、とかあるのでは?と思うかもしれませんが、今作ではそういう幸福は得てして幸福じゃないものが内包されていると切り捨ててます。
理紗という存在にそれが込められていました。
理紗の境遇は裕福な家の長女で、お淑やかで周囲の人や学校の先生、友達など多くの人に慕われ、容姿も端麗。
一見すれば、万人が幸福と思える境遇です。Sっ気の強い方なら「そういうやつを絶望の色に染めるのがいいんだよ」とか思われるレベルです。
ただし、理紗にとっては自らが作り上げた虚飾であり、幸福と感じていません。
お淑やかな少女を演じていないといけないし、父親という存在にレイプされるし、母親からはそれに気づいているのに何をするでもなく哀れんでるだけ。また、それを友達に打ち明けられない。
周囲からみると幸福そのものですが、本人からすると幸福ではない。
今作はそんな理紗が幸福を掴むための物語という構図になっていました。

結果的に、学と理紗は多くの人が幸福と思えない道を選択して物語は締めくくられます。
プレイヤー側からすると、「この二人幸福なの?」と思えてしまうのですが、彼らからすればささやかな幸せが含まれている道なのでしょう。
(実際のところこの道で幸せを掴めるのは理紗だけです。学には過酷な道になるかと。詳しくは後述)


・登場人物こどもばっか

年齢的ではなく、精神的にこどもです。

 泉
泉ちゃんは今作では常識人よりで大人っぽく見えますが、かなり刹那的な考えの持ち主です。
泉ルートでのご都合主義にもとれる流れ(詐欺に成功したり、万馬券当たったり)なんてのはそれを象徴していたのかと思います。

 詠美
目立ちたがりお嬢様。
ただ、目立ってどうするのか?という問いに答えられないというお茶目さん。
別に目立って男からちやほやされたいという訳ではないらしい。
おそらく、妹の麻里を守るために目立とうとしていたのではないかと思います。
父からも母からも愛されない麻里に愛を与えてあげるのは詠美のみ。
でも子どもである詠美では麻里を愛し守るのが難しい。
どうすればよいか。麻里を守るだけの力が必要。
そのためには、多くの人から認めてもらわなければならない。
目立つ。
かなり強引ですが、こういう流れから目立ちたいという想いはきたのかと。
こんなこと言う以前に自分が一番目立ってないといや!ってあたりがおこちゃまっぽいですね。
詠美さんかわいい。あとパンツ見えてますよ。

 麻里
いうまでもなく子どもです^^
Yes ロリータ. No touch.

 百恵
えっと、どちらさまでしたでしょうか?^^;;;;

 理紗
上で説明したようなひどい家庭環境に育った結果、精神的に不安定な成長を遂げているように思えます。
学に対する想いをどういったものか消化しきれていない様子です。
恋愛感情というよりかは自分を救い導いてくれる存在として捉えているように感じられます。
ラストで学と凌辱ではないセックスをしますが、それもお互いの想いを確かめ合うという感じではなかったような・・・。
幼少期から当たり前となった行為だったので、その意味を大きく感じ取ってないのかも。
生殖行為としてのセックスはわかっているけど、感情がそこにたどり着いていないというか。
好き、だけど、それが愛している、なのかは分からないという感じ。
学を恋人というよりかは尊敬する師ないしは父親と捉えているように感じられました。
物語はここで終わってしまうのでわかりませんが、この考えが変わっていかなければ学にとってはこのうえない拷問でしょう(続編の小説に書いてるのかな?)

 学
こちらも幼少期の虐待で大変なことに。
子どもかどうかはともかく、開き直ってからの狂い方は常人ではありません。
あと不感症気味ですね。これも子どもかどうかとは関係ないですが。
また、セックスという行為にあまりいいイメージを持っていない様子です。
詠美や百恵にはとりあえずレイプしたら精神的にも社会的にもダメージを与えられるとやってるだけですし、泉ルートではただ抱き合うだけのほうがいいとも言ってます。


・罪と罰
某ロシア作家の著作の話ではなく、学の罪についてです。
いろいろとやらかしています。
そういった罪は社会的には裁かれることなく終わってしまいます。
ただ、母親殺しから始まる一連の罪の帰着点として理紗という存在が現れます。
学(&武)を信じ続ける理紗という存在は「他人の心なんかわかるもんですかね」と考える学にとっては相当の重荷です。
本当に自分のことを信じているなんて分からない。けれど、理紗は「信じているよ」と言ってくる。いや、だから分かんないんだってば。
そして最後に理紗と共にいくシーンでは「どんなことがあっても信じる」という条件を理紗に掲示しています。
他人の心なんて完全にわかるはずがないと物語中で一貫して主張していた学にとって相手が理紗だったとしても信じ信じられる関係をずっと続けていくことは過酷なものだと思われます。
Scenario3を終えてからもう一度Scenario1の理紗ルートに入ると最後に
「理紗が望むなら、僕は人をやめて、神にでもなんでもなろう。」
と言っています。
理紗が学をどういう存在でいて欲しいか、ということにゆだねようとしています。
学にとっては罰はこういう形で現れることとなったように感じました。
逃避行のパートナーというよりも逃避行をしながら信頼関係を築きつつ、支えてあげないといけないという存在として理紗が隣に居続けるのです。
理紗の幸福のために学は多くのものを失うことになるでしょう。
続編の小説にはそのあたりのことも書いてあるとのことなので読みたいです・・・。

余談ですが、このシーンのあとにスタッフロールが流れますが、BGMがボーカル曲の「記憶」から「終わらない祭り」になってるのが印象的でした。
学と理紗の祭りは終わらない、という意味でしょうか?
なんにせよ、救いのない物語でした。


・考えすぎたこと
作品の途中まで「学の父=理紗の父」かと思っていました。
学の父が裕福な家の女性と結婚して~という記述があったので、そう考えていました。
真偽については本編で一切描かれていませんが、両方の声を聞いた感じ声質や話し方に違いが見られたので違うのでしょう。
この設定がもしあったら、それこそ学にとって救いのない物語になっていましたね・・・。


・描写のうまさ
理紗の父親の気持ち悪さを表現するのがうまかったです。
真面目そうでしっかり仕事をするできた人と見せかけて、娘からの承認の言葉を必死に得ようとしてる様など吐き気が催すほどでした。
近親相姦のシーンは明確には描写されませんでしたが、もしされていたら腐り姫につぐ生理的嫌悪が生じるシーンになっていたことでしょう・・・。

あと、言い回しも素敵でした。
Scenario3のラストでの神様のくだりは思わずキュンとしてしまいました(笑)


・BADENDの印象
学が理紗を銃殺するENDはすごく印象に残りました。
あの場面で理紗が言った「ある意味ハッピーエンドじゃないかな?」という言葉はグッときました。
TRUEでも限界といっていた理紗にとって、このまま自分がいなくなってしまうことは自分にとってもハッピー(幸せ)だし、学にとっても過去を思い起こすことがなくなって自分の道を歩んでいけるというハッピーにつながっていると思ったからでしょう。
ただし、理紗を自らの手で殺し、神にしてしまった学がその先に進める訳なんてなかったのですが。




・絵
今作の絵は影と服のしわを意識した書き方で立体感(肉感?)をうまく表現しています。
絵自体はうまいかどうかというのは微妙(特に泉の立ち絵。頭の形に違和感が・・・)なのですが、立体感で絵の印象を強めているように思えます。
性的な面でも立体感が出ていることで魅力を増します。巨乳キャラを書いても立体感がないといまいち巨乳という魅力を絵から感じられません。
今作では影をうまく使うことで立体感を表現した結果、登場キャラがなぜかエロく感じられます。あ、麻里ちゃんはちょっと微妙かもですが^^;;;
Hシーンで、全裸の絵が出てくるのですが、へそのくぼみ、肋骨のふくらみ、腋、肩甲骨、足の付け根を表現していて、エロさを増しています。
ただし、エロシーンの内容が大体ひどいので興奮するかと言われると微妙と言わざるを得ないです・・・。凌辱プレイなどがお好みの方ならそちら方面で重宝することになるかもしれません。
また、一枚絵の構図が絶妙です。構図を綿密に練っているのがわかります。

個人的にキャラデザインがツボりました。理紗ちゃんきゃわわ。



プレイ時間は6~10時間ぐらいとあっさりしています。
もうちょっと先が見て見たかったという気もするのですが、一方でこれくらいコンパクトだったからこそこの作品はよかったのかもとも思ってしまいます。
非常に荒削りながらもテーマがはっきりと伝わってくる、そんな作品でした。

【レビュー】airy[F]airy~Easter of Sant'Ariccia~

airy[F]airy title


今は亡きRococoWorksさんの第二作目です。


惜しい。

この一言に尽きるかと思います。

ヨーロッパの片田舎を舞台にした牧歌的な物語です。
時間が非常にのんびりとした形で流れていきます。
キャラ絵は透明感があり、また背景絵も非常に完成度が高く、世界観をうまく引き立てていました。
正直キャラ絵をほめたたえるだけでひとつレビューが完成しそうな勢いです(笑)
BGMも世界観にあったのんびりとした曲調が多めになっています。
切迫したシーンも(一応)あるのでそれに合わせた曲調があるのですが、そちらも切迫した状況をうまく表現した曲に仕上がっています。
カタハネ~ヴァニタスの羊の4作(ロココさん的には3作ですが)で唯一サウンドトラックが発売されていないのですが、サウンドトラックが発売されることを切に願っております!
また、ボーカル曲が2曲ともいい曲です。EDの「誓いの夜、はじまりの朝」は結婚式に似合いそうな素敵な曲です!
作品に流れている空気感だけならば、いままでやってきたエロゲの中でも最高峰といっても過言ではありません。
テレビでやっている旅番組、特にヨーロッパを巡る回が好きな方にとっては至上の作品になると思われます。それほどまでに物語の雰囲気がきれいに作り上げられています。
ただ、ここから挙げる問題点が内包されているため、手放しに高評価と言う訳にはいかないのが実情です。


・シナリオ

「火曜の墓守」の微妙さ

主人公のエルモは火曜日を賭けて週1回戦っています。
バトル物ではなく「Eremita」というカードゲーム(後述)で戦っています。
この勝負に大敗するとエルモ自身が消滅したり、人間界から火曜日が失われるという結構深刻な勝負です。
今作の世界では土曜の戦いに誰かが敗北しており、土曜日が永遠に来ません。
限に消滅した曜日がある以上、エルモも信じざるを得ない状態です。
さらに、村人の多くはそういった状況を知らず、エルモがそのような戦いに挑んでいるなど知りません。
そして、前墓守であった義理の父、アルマンドはその役目を放棄し失踪したため、半ば強制的にその墓守を担うことになります。
このくらい深刻な状況となると、様々なプレッシャーや他の人にはわかってもらえないという疎外感、そしてそれを放棄することもできないという諦念というものが芽生えてくるはず・・・なのですが。
エルモは作中を見ている限り、「ちょっと思慮深い少年」という感じです。
日常シーンで他のキャラと墓守の話ができないということがあるとはいえ、墓守という重荷を背負っているようには見えません。
確かに、墓守というものを背負っている悲壮感を漂わせてしまうと、牧歌的な作風が損なわれてしまう恐れがあり、配慮があったのかもしれません。
しかし、配慮がいきすぎているため、墓守という設定が予想以上に排除されています。
そのため、プレイヤー側からすると火曜の墓守がエルモにとって、週1のめんどくさいバイトぐらいに感じてしまいます。
あと、この火曜の墓守がシナリオの根幹にないという状態です。
一応各ルートで絡んではくるのですが、他のイベントと同様の扱いで、結局なんだったのかな・・・?ってなります。


Eremitaの説明不足


前述したように火曜を賭けた戦いには「Eremita」というカードゲームで行われます。
聞きなれないゲームと思われますが、本作オリジナルのカードゲーム(のはず)です。
ルールは「ポイントが13点に近い方が勝つ。ただし、14点以上になった場合はその時点で負けが確定する」らしいです。また、カードの種類もいろいろなものがあるようで、戦略性の高いゲームであることがうかがえます。
一応チュートリアル的に説明はあります。
ただ、全貌を把握しきれないため、プレイヤー側としてはそのシーンで一体何が起こっているのか把握しきれません。
火曜を賭けた戦いは緊張感漂うシーンのはずなのですが、有利なのか不利なのか、また一つ一つの行動にどういう意味があるのかということが分からないので文面で勝った負けたということしか分かりません。
なので、エルモがすごい機転をきかせたプレイをした!と言われても「はぁ、そうですか」と、どこか冷めた印象になってしまいます。
もう少し、説明を加えていれば印象が真逆になっていただけにもったいないです。
あるいはこのEremitaをゲーム方式にしてプレイヤーに実際にやってもらうというのもアリだったかもしれません(予算度外視ですが)
そうであればルールも把握できた上で盛り上がり部分に移入できたと思います。
それか特典みたいな形でEremitaモードでも挿入して・・・これも予算度外視ですが(笑)
なんにせよ、やはりなじみがないゲームでルールがいまいち把握しきれないという点が仇となってしまっています。
ヴィジュアルノベルにおいてこのゲームをメインに使うのは難しかったように思われます。

何処へ行くの、世界の謎。

曜日をかけた戦いや妖精その他いろいろとファンタジー要素が含まれている本作ですが、ほとんどが説明なしで終了します。
各ルートも「えっ、これで終わったの!?」というようなタイミングで終わるので消化不良がすさまじいです。
さながら唐突に打ち切りを宣告されたマンガのごとき勢いです。
謎(伏線など)をしっかり説明し、回収しないと納得いかない人には間違ってもおすすめできない作品です・・・。
一方で、伏線とかはいいから、素敵な世界観で送られる人の営みを見ていられればよい、というタイプの人にはおすすめできます。


ライターさんの癖?

ライターさんの過去作を何作かやっている方なら分かるかと思いますが、特徴があります。

主人公(あるいはヒロイン)が相手の言っている内容を誤解する→会話がかみ合わなくなる→かみ合わないことに気付いてお互いの意図を言い合う→誤解に気付く→お互いに謝罪

おおよその会話シーンはこれで成り立ちます。
カタハネではそこまで気になりませんでしたが、Volume7と今作では結構鼻につきます。
私自身はこういう流れが嫌いではないのですが、それでも何度も出てくるので気になりました。

あと、回想シーンが多い。
それもここ一番という展開で挿入してしまうので、臨場感が損なわれてしまっています。
カタハネにおいては、アインとヴァレリーのとあるシーンでうまい具合に挿入されていましたが、今作では失敗かな?という感じです。


クリックで各キャラルートの感想(ネタバレあり)



コレットルート

airy[F]airy2

幼馴染コレコレのお話です。ひ~め~。
コレットがすごく可愛いです。こんな幼馴染どこかにいないでしょうか?
幼い頃は活発で勝気な女の子が病気を経て、心は元気でも身体が追いつかない状況になってしまい、周りにいろいろと手伝ってもらうようになり、自分自身に自身が持てなくなっています。
そこで敢えて自分自身を卑下にするようなことを言うようになり、それを相手に否定してもらうことで自信をかろうじて保とうとしています。(ちなみにこれに関してはルートで解消されない問題点です^^;;)
性格上、守ってもらってばかりではなく誰かを守りたい、役に立ちたいという思いを強く持っています。
それに気づいた(?)エルモが二人で共に支え合っていけばよいという考えに至るという流れになり、心が暖かくなりました。

と、そこまではよかったのですが終盤に失速していきます。
サンタリキアの復活祭とタベルノとハラペーニョ失踪事件が山場となってはいるのですが、いまいち盛り上がりに欠けてしまっていた形です。
ハラペーニョの一件は世界観の話にもっと絡んでくるのかな、と思っただけに「え、これで終わり!?」と驚かざるを得ませんでした。


モニカルート

airy[F]airy4

モニカ可愛い。

と、このルートで語るものはこれで終わらないですよ?
一応妖精界側の話や義父アルマンドが失踪した経緯は明らかにされます。
経緯だけでその真意がどういうものだったのかということは推測どまりになってます。
小出しにした感じがあるので、やっぱり続編とか考えたんじゃないでしょうかね・・・?
今となっては確かめようがないのですが・・・。
このルートの一番の盛り上がりがラストのEremitaだったのですが、やはりもう少しルールを理解できる環境でやってもらいたかった・・・。
ところで、モニカの車を欲しがった人って誰だったのでしょうか?


あ、サンタリキアでの告白シーン。ここのモニカはかなり可愛いかったです^^

airy[F]airy1


ヘレンルート

airy[F]airy3

プレイ当初、体験版での扱いなどからヘレンがメインヒロインと思っていました。
ただ、そうじゃなかったみたいですね・・・。
このルートのエルモはすごい勢いでわがままです。
モニカのアドバイスとはなんだったのか・・・。
そしてラストまでお互いの意思疎通がうまくいっていないまま有耶無耶になってしまっているのも気になりました。
ヘレンがなぜ妖精を選択したいのか、そしてエルモはなぜ妖精になってほしくないのか。
妖精という設定がいまいち明確化されていないせいもあって、お互いを類推するのも難しいです。
そして、どう考えてもラストシーン後がこのルートで重要になるお話であるはずなのに、そこで切るのか!?となりました・・・。
ヘレンの生い立ちや彼女が妖精を選ぼうとする理由などをお父さんに語っていただきたかったです。
ラストのフォローがないEVER17の優ルートみたいな形です。
そして、ヘレンがとてつもなく幼いという感じがしました。そんなヘレンに手を出すなんてエルモ・・・イケナイ人。


サラルート

airy[F]airy5

まさかのメインヒロイン、サラさんです。
そしてメインヒロインなのにシナリオ中にHシーンがないというすごいお方です。
てっきり最後に入るものだと思っていたので驚きです。
一応サラの母、モナ・ヴァネッサがエルモを冷遇する理由が明らかにされるのですが、それでいいのか?というのが率直な意見でした^^;;;
一応この作品を締めるルートで大きなトピックスであった部分をシナリオの根幹にほとんど絡まない理由で解決させてしまうというのはある意味衝撃的でした。
この作品の序盤にちりばめられた伏線とはなんだったのか、と。
ただ、このルートは終盤の展開が面白かったです。
しかしここでもEremita・・・。
この作品は下手な世界観説明をするよりもこのEremitaのルールをもっと詳しく説明して、プレイヤーに分からせるほうが評価が高まったかもしれません。
あとルートに入ってからヒロイン全員が絡むというのもよかったと思います。
それぞれのセリフにそれぞれのルートのことが含まれていたりしてにやりとできます。


タイトルの意味

airy[F]airyというのはなんとも特徴的なタイトルです。
そのまんまの意味(airy fairy)は美しいや空想的ならしいです。
[F]と囲うことによって門を隔てて人間界と妖精界を表したかったのかな?と思います。
サブタイトルはEaster of Sant'Aricciaで「サンタリキアの復活祭」なのですが・・・。
序盤の会話の大半はこの話題ですが、当の復活祭はそれぞれのルートでおざなりにされています。
ルートによってはいつのまにか終わってたり・・・。


テーマ

この作品は設定、伏線を放り投げてしまってますが、テーマを考えるとすると・・・

愛する人と共に支え合って生きる
それぞれの過去ではなくイマを共に生きていく。

の2点かと。
OPの「あなたの守りたいものは・・・なんですか?」という問いかけに対してそれぞれのルートで回答を示した形になっていたかと思います。
「忌み子」として不幸な境遇を決定づけられてしまった主人公エルモと、それぞれのヒロインが過去にそれぞれの事情を有している中で、それぞれの過去を見つめなおすのではなく、二人が一緒に歩める現在と未来を生きていこうというメッセージが込められていました。

「こういうテーマにしたかったから伏線や設定の回収をしなかった」なんていうことはないですよね・・・?
ある意味つじつまはあいますが、なんというか・・・。





世界観、絵、音楽面ではトップレベルのクオリティを誇っているのですが、シナリオがそこに追いつかなかったという印象です。
レビューする際に再度ところどころ再プレイしていたのですが、時間を忘れてプレイしてしまうくらいに雰囲気は素晴らしいです。

個人的にはこの世界観をシリーズ化してもらいたかったのですが・・・。
シリーズ化にすれば、各シリーズごとに世界の謎や伏線回収をちょくちょくしつつ感動のフィナーレへ・・・といった具合で多くの人に評価される作品になっていたかも・・・。
今作の作り方的にもシリーズ化はともかく続編ぐらいは出そうとしていたようには感じられます。世界観の説明やその他伏線を小出しにしていましたし。
それだけに本当に惜しい作品でした。
あとはシナリオ面で風呂敷を広げたままにせず、ある程度たたむことができていれば、90点台をつけるのをためらう必要のない名作と言えただけに・・・。
もし、続編が出たり完全版が出たりするようなことがあれば間違いなく購入すると思います。それくらいには思い入れのある作品です。

今現在安価で手に入るので、重いシナリオのゲームが続いて少し癒しが欲しいなーと思っているような方にはおすすめできます。あまり頭を使わずにいられる心地よいひと時にいざなってくれると思います。

追記
・・・主人公の容姿がすごく女性的でいちばん可愛いんじゃないかと思ってしまう今日この頃でございます。
個人的にはコレットが一番好きですが。

【レビュー】銀色



まぶしかった日のこと、そんな夏の日のこと―――――


ねこねこソフトのデビュー作です。

・シナリオ

鬱展開が目立ちます。
パッケージには、映画をイメージして作ったので紅茶やおかしと共にどうぞなんて書いてあるのですが、それどころじゃねえ!
コーヒー飲みながらプレイしていたら胃の調子がおかしくなりました(実話)
いろセカの真紅ちゃんのようにガバガバ飲んでた訳じゃなかったんですよ…?


どんな願いも叶えるという銀糸をめぐる物語です。
生きるということはどういうことか、願いをかなえるということはどういうことなのか、といったことを表現しています。
各章で時代が大きく異なります。また、物語の流れ方もライターさんごとに違いが見られます。
出色の出来は1章です。
片岡ともさんの作品が好きな方はぜひとも1章だけでもプレイしてもらいたいと思います。
ネタ的には3章がおすすめです。
ねーちんこと夕奈の豹変ぶりを見るだけでも非常に楽しめます(笑)

クリックでネタバレ



1章
片岡ともさんの書く文章のセンスの良さを感じました。
簡潔でありながら、奥深さを感じました。行間を読むというのに近いかも?
生きるために人を殺し、食べ物を奪う。
そのためだけに生きている主人公。(過去にいろいろとあったんですがね…)
売春宿から逃げ出し、主人公に出会い付きまとう名無しの少女。
殺伐とし、虚しさの漂う峠の物語です。
物心つくころには見ず知らずの男に汚されて、それ以外何もすることができなかった名無しの少女。
彼女が最期にせめて生きた証が欲しい、名前が欲しいと願うシーンはこみあげてくるものがありました。
何も持っていなかった彼女が最期に願ったのは、誰でももっている「名前」というささやかなものであったというのが悲しさを呼びます。
人はなぜ生きるのか、そして生きた証とはなんなのか、そういうことをちょっと考えてしまうものでした。

また、Hシーンが売春宿で犯されている回想のみで、主人公とのHシーンがなかったというのも好感が持てました。
そういう関係でもなかっただけにHシーンが入ってしまうと違和感しかなかったと思います。
エロとは違う、精神的な18禁作品を目指す片岡ともさんらしい選択だな、と思いました。

お気に入りのシーンはきれいなおにぎりを食べるシーン。
あそこのセリフは切ないです。

2章
良作とも言えるし、ひたすらに平凡とも言えるシナリオです。
今作発売当時のエロゲー界隈はシナリオゲーと呼ばれるものがそれほど多くなかったと考えれば、十分出来がいいと言えるかもしれません。
ただ、今となってはありふれた物語としかとらえられないかもしれません。
ヒロインとヒロインを育てた爺を悪く言う村人に対して怒りをぶつけた主人公には共感を覚えました。
重箱の隅をつつく形になって恐縮ですが、人柱に関する主人公の認識に違和感が。
あの当時であれば、人柱を立てることで自然を鎮めようとするという風習は多く見られたと思われます。
都暮らしであった主人公もそういうものがあるということぐらい知っていそうなものですが…。
例え愛した人であったとしても、人柱を立てるということはやむを得ないことであり、ぐっとこらえるというほうが自然だったと思います。
そうすると、話が一気にへぼくなりそうですけど^^;;;;


3章
今作きっての問題シナリオ。
ひ○らしのL5よろしく発狂するねーちんとそんな彼女を支える妹の姉妹愛を描いたシナリオです(嘘)

正直なところねーちんはネタとしては素晴らしい存在ですが、真面目に捉えるとなんだこいつ、っていう印象です。
ひたすら妹の朝奈を追い詰めていきます。
昼ドラの姑に似ている気がするので、昼ドラ好きの方は素直に楽しめるかもしれません。
昼ドラ系をあまりみない私には辛くて耐えれませんでした…。
途中から無念のスキップでやりすごしました^^;;;;
ただ、「この裏切り者!」は屈指の名言です(笑)

この章はねーちんのイロモノっぷりが際立っていますが、主人公もなかなかのクズです。
事情を聞いたにも関わらず、姉である夕奈に理解を示さずに明らかに朝奈の肩を持つ。少しでも考えれば、姉が疑心暗鬼になるのも何となく分かりそうなものですが…。
そして、姉にすべてを打ち明けようとする妹をとどめて抱く。
この主人公やることなすこと全部裏目に出ています。
WA2のようにヒロインたちがうまく立ち回って、問題解決ともならず、結局泥沼の結末を迎えます。
ラストの展開自体は悲劇ですが、私としては当然の帰結と感じ、滑稽な喜劇だと思ってしまいました。

4章、錆、銀色
現代編と銀糸生誕編、1章の前日譚、そして幕間の久瀬様と石切の物語を締めるシナリオです。
現代編はいまいちインパクトが薄かったです。
出来としては悪くないのですが、錆や過去編と比べると弱いです。

錆は痛々しいです。時代的には銀糸のおかげで旱魃が終わったあたりでしょう。
小さく健気な姉妹が生きるために選択した行為、そしてその代償と得るものが少しの握り飯。
1章の握り飯が人の命よりも尊い世界とリンクしていて、辛かったです。
錆を終わらせたあとに1章をやるとさらに切なさが増します。

銀色はこの物語を締める重要なシナリオです。
願いをかなえる銀糸について久瀬様が述べた「いかなる願いも、代償を払うからこそ価値がある」というセリフがこの作品のメッセージのように思えます。
そして、「自ら願いをかなえる力や機会を与えられない人たちはどうすればいいのか?」という問いも浮かび上がってきます。
この2つの問いは続編ともいえる朱-Aka-に引き継がれていくのですが…。


生きるというものについて表現した意欲作であったように思えます。
どの章においても、生きた証を残すことに成功したという点では救いのあるお話であると思います。物語自体はBADENDですが^^;;;;



・システムなどなど

システム自体はNscripterそのままと考えていただければと思います。
もう15年ほど前の作品なので不便なのは致し方ないと考えるべきかと…。
同様に絵も古くささがあります。今のようなかわいらしい絵に慣れている人は受け付けないかもしれません。
BGMはねこねこソフトというだけあって、非常にクオリティが高いです。
鬱展開が多いため、暗いイメージの曲が多く、サントラを聞いてるとこれまた胃が痛くなること請け合いです(笑)

珍しいのは英語版があるということ。
設定で英語版にすると文が英文に変わります。
セリフは日本語なのでちょっとした英語の勉強にも使えるかもしれません(笑)


古臭さが見受けられますが、今プレイしても決して見劣りしない一作であると思います。
弥生ちゃんかわかわ
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プロフィール

間宮卓司様

Author:間宮卓司様
やったゲームの感想などを書いてます。
4人でやってるので、記事によって文体が違います。
好きなゲームはいろいろ。
嫌いなゲームもいろいろ。
そしていろいろな場所に住んでおります。


スパイラルマターイ ミ☆

◇Twitterはじめました。
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ご意見・ご要望、その他何かございましたら以下のメールアドレスまでよろしくお願いします。(☆を@に変えてください)

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